開館40周年を迎えた名古屋の老舗ミニシアター「シネマスコーレ」にて、クリエイターによる上映イベント『ザ・フィルムズオブシックスセンス2023』が4月に開催されました。こちらでは、大盛況に終えた本イベント並びに「シネマスコーレ」の最新活動状況をご紹介します!
クリエイターの皆さん、必見です!
1983年に若松孝二監督が立ち上げたミニシアター、「シネマスコーレ」。
アジア,日本の映画を中心に代表の木全純治(きまたじゅんじ)氏と支配人の坪井篤史(つぼいあつし)氏が作品をキュレーションしています。木全氏はアジア、日本のインディペンデント映画を得意とし、坪井氏は日本の若手監督作品、世界のカルト映画等の目利きです。また自主配給映画、自主製作映画も数多く手掛けてきました。
(写真左)名古屋の老舗ミニシアター「シネマスコーレ」
(写真右)「シネマスコーレ」代表の木全純治氏
コロナ禍を経て、高齢者層の動員が減少したものの、以前から若年層をターゲットにした映画選定、ラインナップを進めてきた、という劇場に大きなダメージは受けなかったと言います。
それでも、名古屋シネマテーク(1982年6月開館)が7月末に閉館するというニュースが発表されると、「お互いにいつもどこかで意識している劇場だったから閉館のニュースに衝撃を受けて唖然としています。」と話します。
「日々緊張して営業している。それでも映画の灯を消さないように続けていくしかありません。」と木全氏は前向きな姿勢を見せます。
4月にこの映画館で開催された「ザ・フィルムズオブシックスセンス2023」では、シネマスコーレが主催する「スコーレ映画塾」のメンバーによる制作作品の発表と、ブリリアショートショートシアターオンラインから提供した『途切れない電話 / Call Waiting』と『その手 / The Hands』の2作品が上映されました。
「プロの映画を観ると大いに刺激を受けます。」と映画塾の面々からのコメントに続き、「ショートフィルムは長編映画に繋がるための非常に大切な作品。でもただ自己の感性だけで作っていてはだめです。やはり映画の歴史をしっかり研究し、自分のものにした上で自分の感性を加えた作品が必要となります。」と映画塾講師もつとめる木全氏は話します。
2021年にスタートした映画塾ですが、映画の基本をしっかり身につけるよう、映画製作を通じて映画を学ぶ、ということに重きを置いていると言います。
映画塾のメンバーが制作した作品は昨年、ゆうばりファンタスティック映画祭に出品、見事ゆうばりホープ賞に選出されました。現在も国内外の映画祭へ出品中とのこと。
「スコーレ映画塾」塾長も務める木全純治氏
「将来的には長編映画を撮れる監督が生まれるといい。それが夢かなぁ…。」と、思いを馳せる木全氏。
映画塾には大人になっても映画を通じて夢を追いかける人たちが集まります。
映画塾のメンバーが制作した作品について、公開は決まっていないものの、映画祭に出品しているのでそこで観られるチャンスはあるとのこと。
来年、2024年には『青春ジャック〜止められるか、俺たちを2〜』(シネマスコーレ、若松プロダクション制作)脚本・監督 井上淳一(『止められるか俺たちを』(2018)脚本)、主演 井浦新、東出昌大の公開も控えています。
木全氏が主人公でシネマスコーレの誕生を描く群像劇である作品は、若松孝二監督役を井浦新さん、木全純治役を東出昌大さんが演じます。
スコーレ映画塾生も、プロのスタッフと一緒に撮影に参加し、エキストラ出演したとのこと、公開が楽しみです。
本日4月1日は若松孝二監督の誕生日
若松プロダクションから新たな映画をお届けします『青春ジャック 〜止められるか、俺たちを2〜』2024年春劇場公開決定!
前作に続き若松孝二を演じるのは井浦新
映画館支配人役には東出昌大
『青春ジャック 止め俺2』のTwitter本日開設
乞うご期待! pic.twitter.com/UCrq6gnG4v— 映画『青春ジャック 〜止められるか、俺たちを2〜』公式アカウント (@tomeore2) April 1, 2023
シネマスコーレでは、我こそは、という若手監督たちからの上映作品の提案も受けているとのこと。
クリエイターの皆さんはぜひインディペンデント映画の目利きたちに自作を見てもらうチャンスとして、挑戦してみてはいかがでしょうか。
木全純治(きまたじゅんじ)
(有)シネマスコーレ代表取締役(スコーレ映画塾塾長、あいち国際女性映画祭ディレクター)
1973年、同志社大学文学部卒業後、池袋文芸座に入社。文芸地下の日本映画を担当する。
83年、若松孝二監督の誘いによりシネマスコーレ支配人となる。
当初は名画座で出発するが、新東宝封切りを経て、86年から日本のインディペンデント映画やアジア映画を上映するミニシアターとして、現在に至る。
※木全を主人公にしたテレビドキュメンタリー「メ~テレドキュメント 復館 ~シネマとコロナ~」(名古屋テレビ放送制作)はその後、「シネマスコーレを解剖する~コロナなんかぶっ飛ばせ」というドキュメンタリー映画になり、昨年全国のミニシアターで公開。
https://www.nagoyatv.com/program_sp/buttobase_ex.html
※現支配人、坪井篤史を主人公に、本人の映画愛を描いた「シネマ狂想曲 名古屋映画館革命」(名古屋テレビ放送制作)も2017年より全国で公開。
シネマスコーレは第32回(2022年度)日本映画プロフェッショナル大賞特別賞を受賞。授賞式は6月17日(土)にテアトル新宿で開催されます。
Writer:BSSTO編集部
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