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COLUMN
Aug. 05, 2024

映画で旅する、café de cinéma vol.6

映画で旅する、café de cinéma 第6弾となります。

今回も公開中の作品から旅をしたいと思います。

VIVA SAURA!として、昨年2月に91歳で亡くなったスペインの名匠カルロス・サウラ監督の遺作2作品が企画公開されたうちの1本『壁は語る』。

カルロス・サウラ監督の生涯最後の作品、『壁は語る』

(C)MALVALANDA

本作はドキュメンタリーなので、ストーリーではなくイントロダクションより〜

芸術の起源についてカルロス・サウラが、監督と主演を務めながら探求するドキュメンタリー映画。先史時代の洞窟における最初のグラフィック⾰命から、最も前衛的な都市表現まで、創造的なキャンバスとしての「壁」と芸術との関係を描く。

⼈類進化の偉⼤な思想家フアン・ルイス・アルスアガや、現代アートを代表するアーティスト、ミケル・バルセロなど、個性的な人々が同⾏するパーソナルな旅。⾃らのことは多く語らないが、芸術に関しては饒舌で、まるで⼦供のようになるサウラ。アルタミラ洞窟の専⾨家と共にスペインの遺跡や洞窟をめぐり、人類の進化と共に、人はなぜ壁に描いたのか、を探っていく。そして、その視点は現代の若い世代、グラフィティ・アーティストのZeta、グラフィティ・ライターのMusa71、アーバン・クリエイターのSuso33、アーティストのCucoにも注がれる。サウラ監督自身が彼らに迫り、壁に描くようになった経緯を問いながら、現代と太古の壁画アーティストたちが時空を超えて、繋がっていく。撮影時、90歳。大学生の頃から映画を作り続けてきたカルロス・サウラにとって、『壁は語る』が生涯最後の作品となった。

この作品の面白いところは、御歳90歳(撮影時)のカルロス・サウラ監督が自ら足で、各地や人々を訪れインタビューをしていくところ。

その対象は、アルタミラを代表とする洞窟壁画など、歴史・遺跡の研究者から、グラフィティーアーティストに至るまで多種多様です。

(C)MALVALANDA

数万年以上前から「壁面に描く」ことの共通点を探りそれを現在の落書き、とも捉えられかねない(場合によっては落書きにあたる)グラフィティにまで目を向けてアーティストなどと話す監督の情熱は、目を見張るものがあります。

そもそも洞窟壁画も元は落書きであったものもあるはず。

長い年月を経て、アートに昇華していったものもある。

そうなると、現在のグラフィティに代表される落書きか?アートか?というのも、なかなか深い議論に広がっていきそう。

(C)MALVALANDA

そして、本当にスペインを縦横無尽に駆け回る。
75分ほどの映画で、歴史的なスペインと、現代のスペインの両方を垣間見ることができるのも楽しみの一つ!!

(C)MALVALANDA

洞窟や遺跡、大学や公園の壁画、博物館やギャラリーなど、スペインは行ったことがないのですが、この映画で脳内トリップ&いつかいく時はこの作品に登場するロケ地のいくつかはぜひ巡ってみたい、です。
(元々西洋古代史を学んでいたので、歴史的な場所が好みですが〜)

(C)MALVALANDA

特に、洞窟壁画で一度は耳にしたことがある「アルタミラ洞窟」は北部サンタデールにあり、1985年に世界遺産に登録されたが、2008年に17洞窟が拡大登録され、「アルタミラ洞窟とスペイン北部の旧石器洞窟美術」と改称されている。

アストゥリアス(アストゥリアス州)の2洞窟、サンタンデール(カンタブリア州)のエル・カスティーリョ洞窟もこの中に含まれています。

(C)MALVALANDA (エル・カスティーリョの洞窟)

さまざまな登場人物 〜研究者からグラフィティのギャラリスト、グラフィティアーティストまで

(C)MALVALANDA

ここまで縦横無尽に話を聞いて回る作品も、珍しいのではないか?と思うくらい。

正直、1回観ただけでは消化できない、盛りだくさんな作品です。

「壁画」という側面からスペインを横断してみるのも、いかがでしょうか?

〜旅する映画館の紹介〜

「⽇常の延⻑線上にある映画(館)」をテーマに、映画を楽しみ語らうサロン的な雰囲気と場所を⽬指す。

主に10名程度の⼩規模で気軽な上映会に加え、映画だけでなく、映画に合わせたゴハンも楽しむ企画から刺繍ワークショップ、ミュージシャン、焚き火とのコラボなど+αの“体験”を加えた上映会、100人超の野外上映など年間で100回以上の上映会を各地開催中。

<イベント告知>

今後の上映情報
・7月31日(水)20:00上映開始
ヱビスキネマ Vol.167 『容疑者、ホアキン・フェニックス』
@ビストロダルブル恵比寿店(渋谷区・恵比寿)
https://note.com/cafedecinema/n/ndff7e4383238

・8月3日(土)17:30上映開始
Viaシネマ 3rd『悪魔祓い、聖なる儀式』上映会
@本で旅するVia(杉並区・荻窪)
https://note.com/cafedecinema/n/nb4d4840c4529

・8月11日(日)19:30上映開始『シューマンズ バーブック』上映【無料上映】
@Summer Evening Aperitif & Movie(長野県・軽井沢)
https://www.instagram.com/p/C9cBR1WMQY5/?igsh=MXNqbHdjeGpybDQ4ZA==

・8月19日(月)20:00上映開始
ナワシロシネマ vol.27 /café de cinéma with ブリリア ショートショートシアター オンライン
with 佐々木誠監督スパイスカレーナイト
@ナワシロスタンド(世田谷区・下北沢)

・8月20日(火)20:00上映開始
ゆるいえいがかん vol.86
@yurucafe(豊島区・雑司ヶ谷)

・8月22日(木)20:00上映開始
サロン de シネマ vol.53 予告編で盛り上がろう!【リアル&オンライン】
@yurucafe(豊島区・雑司ヶ谷)

・8月28日(水)20:00上映開始
ヱビスキネマ Vol.168
@ビストロダルブル恵比寿店(渋谷区・恵比寿)

『壁は語る』

監督・出演:カルロス・サウラ/脚本:カルロス・サウラ、ホセ・モリーリャス/撮影:フアナ・ヒメネス、リタ・ノリエガ/音楽:アルフォンソ・G・アギラル/ 編集:ヴァネッサ・マリンベル/製作:マリア・デル・プイ・アルバラード

2022年/スペイン/DCP/75分/カラー

http://www.action-inc.co.jp/saura/kabewakataru.php#k_intro_wrapper

Writer:旅する映画館 café de cinéma主宰 ちゃっぴー

映画に憧れ、映画に携わることを夢見ながらさまざまな仕事を渡り歩くうちに、黎明期のVODビジネスに携わり、映画業界の端っこに飛び込む。VODビジネスに携わって20年という、たぶんVOD業界でもかなりの古株なんじゃないかな?と思いながら日々を過ごしています。やっぱり映画はスクリーンで観たい!という気持ちと、観たい映画がすぐ映画館のスケジュールから消えていくのが悔しくて、自ら上映会をはじめ、結果として年間100回以上の上映会を開催している。

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