土地や気候、育て、醸造する人の気持ち。
その味わいの中に感じられる個性的な表情は、ショートフィルムの世界と似ています。
作り手はどんなことを考えていたのか、その年はどんな年だったのか—。
このコラムでは、そんなことを思い浮かべながら、ワインとショートフィルムのペアリングを、ワイン専門店エノテカの広報、佐野昭子さんに紹介いただきます。
ショートフィルムのストーリーと、ワインの香りや味わいが織りなすひと時をお楽しみください。
1月の作品、どの作品もとてもすばらしく、甲乙つけがたかったのですが、
特に印象に残ったのは、『モーリ』。
厳しくも美しい、圧倒的な銀世界で繰り広げられるクルド人の少女、モーリの物語です。
新しく赴任してきたメリチ先生を父と思い込むモーリと、それにとまどいながらもGoogle翻訳を使って交流する先生との姿に、ほっと心が温かくなります。
ですが、その背景にあるのは、モーリの父の不在という現実。
モーリが父親からもらったライターが不在の理由を暗に伝えています。
作品終盤、モーリが見ている景色とその表情、モーリの父が語るふしぎなおとぎ話が絡み合って、20分ちょっとという短尺ながら、なんとも忘れがたい複雑な余韻を持たらす作品でした。
真っ白な美しい雪景色が見終わった後も心に残る本作品。
今回は寒々しい風景とともに、寒い今の季節に飲みたくなる白ワインとしてこちらのワインを選びました。
ワイン名:エスクード・ロホ・シャルドネ・レゼルヴァ
生産者名:バロン・フィリップ・ド・ロスチャイルド・マイポ・チリ
https://www.enoteca.co.jp/item/detail/066860500
エスクード・ロホ・シャルドネ・レゼルヴァは、ほど良い樽香とリッチな味わいが特徴で、
まさに冬に飲みたくなる白ワイン!です。
柔らか&ふくよかで、モーリと先生の交流のように心がほどけるような、心地よい味わいが楽しめます。
あまり冷やし過ぎないようにして、少しずつ温度を上げながら味わいの変化を楽しむのがおすすめ。
お料理を合わせるなら、アツアツのグラタンやクリーム系リゾットがよく合います。
フランス・ボルドーワインの最高峰のひとつ、シャトー・ムートン・ロスチャイルドを所有する
世界有数のワインメーカー、バロン・フィリップ・ド・ロスチャイルドがチリで手がけるワイン。
チリの豊かな陽光で育まれたシャルドネを、フランスで培われた技術で仕立てています。
白い花やアーモンド、マンゴー、バニラなどの複雑なアロマに、バランスのとれたリッチな味わい。
コストパフォーマンスの高さでも人気の1本です。
世界有数のワインメーカー、バロン・フィリップ・ド・ロスチャイルド社がチリで手がけるワイナリー