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Jan. 22, 2026

【ワイン with ショートフィルムの時間】ワインwithショートフィルムの時間~vol.13

土地や気候、育て、醸造する人の気持ち。
その味わいの中に感じられる個性的な表情は、ショートフィルムの世界と似ています。
作り手はどんなことを考えていたのか、その年はどんな年だったのか—。
このコラムでは、そんなことを思い浮かべながら、ワインとショートフィルムのペアリングを、ワイン専門店エノテカの広報、佐野昭子さんに紹介いただきます。
ショートフィルムのストーリーと、ワインの香りや味わいが織りなすひと時をお楽しみください。

今月のピックアップ・ショートフィルム:花嫁の結婚式直前の心理がリアルに描かれた『マリッジ・ブルー』

松の内もすっかり過ぎてはおりますが、新年明けましておめでとうございます。今年もたくさんの心躍るショートフィルムと、心揺さぶられる美味しいワインに出会っていきたいです!

そして今月は、1月の「1」にちなんだ「ワンカット」で撮影された映画が特集されています。カメラを止めることなく全編を一続きの映像で描く「ワンカット撮影」――まるで目の前で起きているかのような臨場感があり、観る者をグッと作品に引き込んでくれ、また一味違った映像体験ができます。そのなかでお薦めとして取り上げたい作品が、『マリッジ・ブルー』(2024年・ニュージーランド)。

テーマどおり、これから結婚式を挙げる花嫁の、式直前の心理がリアルに描かれます。純白のドレスに身を包み、ヘアメイクもバッチリ。幸せそのもの、のはずなのですが、どこか様子が変です。原題は『Cold Feet』。日本語に訳すると、“腰の引けた”という意味。結婚は本当に良い決断なのか、そんな疑いがよぎる花嫁の気持ちを知る由もなく、周囲はこれから始まる式に向けて、ガンガン準備を進めていきます。わずか6分の作品ですが、式直前の花嫁の心情と周囲の人物とのやりとりを臨場感あふれる形で描き出し、観る人を惹きつける作品となっています。ハッピーではないラストなのですが、楽しいエンドロールも含めて爽快感がある映画です。

『マリッジ・ブルー』にペアリングしたいワインは・・・

ワイン名:セラー・セレクション・スパークリング・ソーヴィニヨン・ブラン
生産者名:シレーニ・エステーツ

監督の出身国、世界的にも注目されるワイン大国ニュージーランドのソーヴィニヨン・ブランで造られるスパークリングワイン

主人公の花嫁が不安のあまりボトル半分もシャンパンを開けた、というセリフがあり、ロゼシャンパンが入っていると思われるグラスをグッと傾けるシーンが登場します。ロゼシャンパンももちろん良いのですが、本作品の監督はアイラ・マクラウド。ニュージーランド出身であることもあり、世界的にも注目されるワイン大国ニュージーランドのスパークリングを選んでみました。

ニュージーランドでは、造られるワインの70%を占めるのが、ソーヴィニヨン・ブランのワイン。1980年代にソーヴィニヨン・ブランが注目されるようなり、世界のワイン市場にニュージーランドワインが本格的に並ぶようになりました。そしてこちらの商品は、泡としてはちょっと珍しいソーヴィニヨン・ブランで造られるスパークリングワインです。ちなみになのですが、シャンパンについては、以下のような名言があります。

「シャンパーニュは、勝利のときには飲む価値があり、敗北のときには飲む必要がある—
ナポレオン」

「私は二つのときにしかシャンパンを飲まない。恋をしているときと、していないときーーココ・シャネル」

要するにいつ飲んでもよい、ということですね(笑) ということで、喜びのときのみならず、うまくいかなかった!という今回の花嫁のようなシチュエーションでも、シャンパンよりグッとコスパが良いシレーニのスパークリングワインを傾けてみてはいかがでしょうか。ソーヴィニヨン・ブランの爽快で溌剌とした味わいが、いやな気持ちを吹き飛ばしてくれるかもしれません。

ニュージーランドのテロワール「太陽・土・水」をありのままに表現することを心がけるワイナリー「シレーニ・エステーツ」

シレーニ・エステーツのワイナリーが位置するのはニュージーランド北島、東側にある海岸沿いの都市、ホークス・ベイ。ニュージーランドでもワインの生産が早くから行われた地で、ニュージーランド特産の果物など、農作物の産地としても有名な地域です。

ホークス・ベイに1997年に設立されたシレーニ・エステーツは、ブドウ畑で生まれるユニークなストーリーを表現できるよう、ブドウ畑の代弁者であることを信念・信条とし、ワイン造りを行ってきました。彼らの哲学は、「太陽・土・水」というテロワールを構成する3要素のバランスを重視。人為的介入を最小限に抑え、ニュージーランドのテロワールをありのままに表現することを心がけています。

セラー・セレクション・スパークリング・ソーヴィニヨン・ブランは、グレープフルーツ、ライム、桃や青リンゴ、西洋スグリなどにハーブや青草が入り混じった洗練された香りが広がります。フレッシュでクリーンな味わいが食前酒にぴったり。雑味がなくフレッシュな味わいで、白身魚やグリーンサラダ、スモークサーモンやエビのフリットなどと好相性です。

Writer:エノテカ広報・佐野

全国にワインショップを展開するワイン専門店「エノテカ」で広報を担当。映画とワインが大好物。映画やドラマにワインが出てくると、思わずチェックしてしまいます。ワインだけでもおいしく楽しめますし、映画単体でももちろん楽しいですが、2つをつなげてみるとより世界も広がって見えてきます。夜のリラックスタイムは、ぜひワインと映画のマリアージュを楽しんでみてください。

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