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Oct. 10, 2023

【編集部コラム】開催中の秋の国際短編映画祭 上映作品をBSSTO会員がレビュー

秋の国際短編映画祭 迷ったらまずはこれをチェック!

9月28日(木)~オンライン会場にて先行配信が、そして10月19日(木)~22日(日)までは東京都写真美術館にて上映やゲストが登壇してのリアルイベントが開催となる、ショートショートフィルムフェスティバル&アジア 2023秋の国際短編映画祭

6月に発表されたグランプリ=ジョージ・ルーカスアワード受賞作品(『希望のかけ橋』)を含む、来年のアカデミー賞候補となる可能性を秘めた各部門の優秀賞受賞ショートフィルムが一堂に披露される貴重な機会です。

本イベントに先駆けて、BSSTOサポーターズミーティングに参加いただいた方々に、作品の先行試写をお願いし、レビューを書いていただきました。

オンライン会場から、またはリアルのイベント会場にて、どのプログラムや作品を見ようか迷ったら、まずはBSSTO会員のおススメをぜひセレクトしてみてください!

SSFF & ASIA 2023 受賞プログラム1-Kids are Alright <レビュー by Pさん>

左上より時計回りに『DOCOOK』『スイート』『カミーユとコンティさん』『スパロー』

短編映画は、短い時間の中で作品のメッセージを効果的に伝え、個性が際立ちます。自分の好みに合った短編映画に巡り合う事は、まるで朝の情報番組で自分の星座が1位になった時のような嬉しさを感じることにちょっと似ています。長編映画のように構えず、気楽に楽しむことができるのが、短編映画の魅力です。

DOCOOK

アニメーションで、わずか4分という短さ。子供と学校に行く前にさっと観ることができました。最初はタイトルの「DOCOOK」の意味がわからなかったのですが、終盤まで観た後、子供と一緒に「あー、そういうことか!」と納得しました。我が家にも犬がおり、似たような状況に遭遇したことがあったので、この解釈は興味深かったです。

スイート

ベストアクター賞(ジャパン)を受賞した作品。特に主人公の少女の演技が素晴らしかったです。初めてチョコレートを食べたときの表情が印象的でした。周囲の大人たちも、作品の緊張感と穏やかな雰囲気を見事に表現していました。親が子供の教育に没頭しすぎる姿勢に共感する部分もありました。

カミーユとコンティさん

ベストアクター賞(インターナショナル)を受賞しており、シングルマザーとして苦しむ苦境を白熱した演技で魅せてくれます。短い時間の中で、主人公とおじいさんの関係が近づいていく様子が見事に表現されていました。

スパロー

アル中の父親が子供に良い面を見せようと奮闘する物語で、アルコールが人々にどのように影響するかを深く考えさせられました。ラストのシーンは、元の生活に戻るのか、子供のために変わるのか、考えさせられる瞬間でした。

これら4本を観て、「Kids are alright」というプログラムのタイトル通り、どんな環境でも最終的には子供は強く成長していくのだ、と改めて感じました。

SSFF & ASIA 2023 受賞プログラム2-さまよえる魂 <レビュー by Mさん>

左上から時計回りに『いつか君が戻ると思って』『ワイルドサモン』『妻の電池切れ』『宇宙飛行士の心』

いつか君が戻ると思って

記憶喪失になった妻と6年の歳月を経て再会。しかし、そこにはもうすでに新しい生活が始まっていた。

時計の針を戻すことが正解ではないことを理解しつつ、前に進まないといけない。

実に切ない気持ちになりました。どこか肌寒い韓国の情景も印象的。

ワイルドサモン

野性の鮭を人に模してその一生を描いたアニメーション。

壮大な自然と泥臭く懸命で必死に生をまっとうする”生”リアルな姿が対照的だった。

決して人間の行いの全てが悪いと決めつけるのはなく「では、私たちはどう向き合うのか?」と問われた気がする。

こういったアプローチで環境問題を提起するのは興味深い。

宇宙飛行士の心

宇宙医学に関するドキュメンタリー。宇宙飛行士を支える重要な任務で、普段描かれることのない分野で非常に興味深かった。

特に船外任務中のトラブルに対して対応するシーン。「どれだけ冷静なの!?」と驚くほど冷静で的確。

15分という尺があっという間でどこかふわふわと浮遊していた感覚になった。

最後に、、彼女の笑顔、素敵です!

妻の電池切れ

二人の淀んだ表情と東京のキラキラした街のコントラストが素晴らしかった。

「言わなくてもわかるでしょ」という馴れ合いの態度や姿勢の危うさを痛感した。その間も心のバッテリーはどんどん消費していき、一旦切れるともう戻ることはなく、取り返しのつかないことになってしまう。

時間をかけて作るスパイスカレーと、時間をかけて築き上げる信頼関係、通ずるところがありますね。

SFF & ASIA 2023 受賞プログラム3-あの人の足跡 <レビュー by Yさん>

左:『希望のかけ橋』 右:『半透明なふたり』

希望のかけ橋

第一次世界大戦時にロシアによってシベリアへ送られたポーランド人の子孫は、ロシア革命の戦闘の影響で家を失い飢餓に苦しみました。ポーランド救助委員会の嘆願により1919~1923年に数百人のポーランド人の子どもたち「シベリア孤児」が日本へ避難してきました。本作は、孤児たちが日本で健康を取り戻して祖国へ帰還するまでを描いたアニメーションです。

人形の表情がとても細やかで、孤児たちと日本人の心の交流が胸に迫ります。ノンバーバルの良さを最大限に活かして丁寧に作られたこの短編は、歴史の1ページを鮮やかに切り取っています。

半透明なふたり

面白くなけりゃダメで見た目が良くなきゃダメで。そんな現代のコンビニで働く龍也は鼻が人並外れて大きい。気持ち悪いと噂が立ち、いつも眼帯をしている客の文に鼻を踏んでもらって小さくしようとするのだが…。リアリティあふれる演出、白黒の映像と主役ふたりの熱演、そして藤井フミヤさんの歌が効果的。ボーイミーツガールの要素もあるのだが、すべての人が自分を大事にできるような社会にしていきたいというメッセージも込められていると思う。

SSFF & ASIA 2023 受賞プログラム4-敵は誰だ!? 受賞プログラム5-チガウを巡る物語 <レビュー by Bさん>

左:『スカベンジャー』 右:『マルゴの妹』

スカベンジャー

生きるとは。働くとは。稼ぐとはなにか。を考えさせられる1本。

良質な映画には、セリフも音楽も、アクションも恋愛も必要ない。

わたしたちの生きる小さな世界そのものが映画になることを証明しているかのような作品だった。

マルゴの妹

まさに「チガウを巡る物語」を存分に感じることができる作品。「チガウ」ことを受け入れられない葛藤と、受け入れなければならない現実の間で揺れる主人公。そんな彼女が変化していくさまを見事に1657秒で表現した脚本に注目したい。

難しい役を演じたマルゴを始めとする出演者たちも称賛に値する。

また、キャストたちを包み込むようなやさしいピアノも作品に彩りを加えている。秋の夜長に見たい、心あたたまる短編映画だ。

ショートショート フィルムフェスティバル & アジア 2023 秋の国際短編映画祭

25年目を迎えた映画祭には今年も世界120の国と地域から5215点が集まり、約200作品が上映されました。

秋の国際短編映画祭では、6月に発表された世界で唯一のジョージ・ルーカスの名を冠したグランプリ受賞作品『希望のかけ橋』(ポーランド/日本)、ライブアクション部門(ジャパン)優秀賞を獲得した永山瑛太さん主演作品『半透明なふたり』を含む来年のオスカー候補となる可能性を秘めた各部門受賞作品ほか、観客の支持をもっとも集めたオーディエンスアワード受賞作品として、野村萬斎さんが初監督した『虎の洞窟』など、今年のベスト・オブ・ベストのショートフィルムと、映画祭プログラマーがセレクトした作品を「Kids are Alright」、「さまよえる魂」、「あの人の足跡」、「敵は誰だ!?」「「チガウを巡る物語」「うつろいゆくものたち」など6つのテーマでキュレーションし上映・配信いたします。

また、特別企画として、韓国のショートフィルムを特集するプログラムでは、ソ・イングクさんによる監督作品『TRAP by Seo In Guk』含む、映画祭プログラミングチームがセレクトした韓国ショートフィルムを紹介いたします。

 さらに、東京都写真美術館の会場では、約2,000点の応募作品から選ばれた「ニコンフォトコンテスト 2022-2023」動画部門の上位入賞作品を特別上映いたします。

◆期日および会場:

<オンライン会場>

オンライン・グランドシアター 2023年9月28日(木)~10月27日(金)

オンラインサテライト会場:

①「DOOR」 シアター  期間同上

②ブリリア ショートショートシアター オンライン

10月4日(水)~4週に渡りハロウィン特集

<リアル会場>

赤坂インターシティ コンファレンス 10月17日(火)

東京都写真美術館ホール 2023年10月19日(木)~22日(日)

サテライト会場 :

①東京ミッドタウン日比谷 日比谷ステップ広場

(HIBIYA CINEMA FESTIVAL 2023内上映)

2023年10月13日(金)~22日(日)

②シアターギルド代官山 2023年10月16日(月)~18日(水)

※プログラムにより上映開始時間が異なります。ウェブサイトにてご確認ください。

 

◆料金:

【無料】

・東京都写真美術館ホール

・東京ミッドタウン日比谷 日比谷ステップ広場(HIBIYA CINEMA FESTIVAL 2023内上映)

・ブリリアショートショートシアターオンライン

・クリエイター向けオンラインセミナー

【有料】

・シアターギルド代官山

・オンライングランドシアター

※オンライン会場の作品が30作品以上見放題となる鑑賞パスポート 1,000円(税込)

◆申し込み:東京都写真美術館での上映の席予約はウェブサイトにて受付中

※サテライト会場の予約、チケット購入はウェブサイトに掲載の各リンク先より

ウェブサイト:https://shortshorts.org/2023autumn/

主催:ショートショートアジア実行委員会 共催:東京都 後援:J-WAVE 東京国際映画祭提携企画

Writer:BSSTO編集部

「暮らしにシネマチックなひと時を」
シネマな時間は、あなたがあなたに戻る時間。
「ブリリア ショートショートシアター オンライン」は、毎日を忙しく生きる社会人の皆さんに、映画のあるライフスタイルをお届けします。
毎週水曜日にショートフィルムをオンライン配信。常時10本ほどを無料で鑑賞できます。
https://sst-online.jp/theater/

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