マシュー / Mathieu イエスマンは今日から変わる！

【あらすじ】
30代のフランス人男性のマシューは、誰からも愛され、波風を立てずに暮らしている。何もかも相手の望み通りに行動し、周りの人々の期待に応えるのが彼の生き方なのだ。しかしそんなマシューが反乱を起こしたらどうなる？

【監督コメント】
現代社会において自分の内面を表現する複雑さを、本作では主題にしています。本作はパリのイタリア文化会館のために書き下ろした、シュールなコメディ短編で、2006年と2008年に発表した作品に続く３部作の完結編になります。
主人公は、典型的な普通の男性を代表しています。ただし、シュールな要素は強調しています。
マシューは、アラサーのフランス人男性です。誰に対しても強い主張をすることができません。兎にも角にも、彼は誰に対しても安全な人間として生きています。マシューはみんなに愛されているのだと理解します。そして、問題を起こさないためには、彼が他人からの要望に応える必要があると。
地味で当たり前のような話に思われるかもしれません。しかし、マシューに取って事情はもう少し複雑です。
同僚がデモに行こうと彼を誘っても、別の同僚が意味がないと言えば、素直に従ってしまいます。
誰かと映画に行くとして、マシューにとってはドラマだろうがコメディだろうがアメリカ映画だろうがフランス映画だろうが関係ありません。
自分探しをしている人にとって、マシューは格好の話し相手と言えるでしょう。
しかし、マシューがそんな受け身の姿勢から反逆するとしたら？マシューというスケープゴートなしに、マシューの同僚たちは何が言えるというのでしょうか？言い換えれば、マシューがついに彼自身になろうとしたときに、一体何が起きるのでしょうか？