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【あらすじ】
羊飼いの父は妻と2人の息子とチュニジアの田舎町で暮らす。ある日、長男がミステリアスな新妻を連れて長い旅から帰郷した。それからの3日間、父と長男の間に走る緊張はついに頂点に達する。
【監督コメント】
この作品の物語は2016年2月に北チュニジアの田舎町で出会った赤毛のチュニジア人兄弟から始まりました。私が2人を発見したとき、私は旅をしていて彼らは羊の群れを連れて緑生い茂る丘を歩いていました。写真を撮りたいと交渉したところ、初めは断られ、私はまた旅を続けたのですが、それからずっと彼らの髪とそばかすの鮮やかな赤色が緑豊かな丘とコントラストするイメージが強烈に記憶に残っていたのです。
チュニジアにあるセジナンという町では、2011年に独裁者ベンアリ元大統領を追放したジャスミン革命後にイスラム原理主義化が進み、多くの男性がシリアへ渡ったといいます。この出来事と兄弟との遭遇が本作の物語を作る土台となりました。
この社会現象を家族という密接な視点から描くこと、そして出会った兄弟に演じてもらうことは心に決めていました。その一年後、私は名前も知らないあの兄弟に会いに再びチュニジアを訪れました。遭遇した場所も思い出せないまま、『兄弟愛』の台本を持って虱潰しに町を巡りました。兄弟と再会できた時、彼らと彼らの弟に出演オファーをし、撮影が行われた2018年3月までの数週間、彼らの持つ魅力は尽きることなく、見る見るうちに私達の絆は深まりました。
Meryam Joobeur
チュニジア系アメリカ人の脚本家、監督。モントリオールにあるメル・ホッペンハイム映画学校卒。現在、本作の長編バージョンも含む3つの長編作品を製作中。2016年にはベルリナーレ・タレンツ、TIFFタレンツラボ、そして Rawi 脚本家ラボに参加。