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COLUMN
Jun. 11, 2024

映画で旅する、café de cinéma vol.5

映画で旅する、café de cinéma
第5弾となります。

今回は公開中のあの映画の舞台を旅してみたいと思います。
作品はジミー・ライの紀行エッセイ「青春18×2 日本漫車流浪記」を『新聞記者』『余命10年』の藤井道人が監督・脚本で映画化した日台合作のラブストーリー『青春18×2 君へと続く道』。

でもその前に、簡単な自己紹介。

都内を中心に全国各地で上映会を開催している、「旅する映画館 café de cinéma」主宰のちゃっぴーです。

以前こちら(ブリリア ショートショートシアター オンライン)で、「上映会の作り方」 というコラムを書かせていただいていました。

今年(2024年)からは、「映画で旅する」と題して、行ったことはないけれど(笑)、映画を観て、通じて、その国、その土地、その場所に行った気分を味わっちゃおう、というコラム書き始めています!

台湾を舞台にした映画

今回台湾を舞台にした映画を、と思った一つのきっかけが、ちょうどこの4月に、初めて台湾・台北を訪れたから!コロナ禍を鼻栓で久しぶりの海外旅行は、詰め込み日程ながら楽しかったのと、旬な台湾を舞台に、と思ったところの本作の公開(2024年5月3日)があり、せっかくなので、この作品を観て、書こうと思ったのです!

©️ 2024「青春 18×2」film partners

でも、本作は台南を中心とした台湾と、主人公が日本の鉄道(タイトルにある通り「青春18きっぷ」を使って)で旅する映画。でも、台湾の雰囲気も映画の雰囲気も、とてもよかったので、そのまま書くことにしました!!

そんな本作、すでに観た人もいれば、まだ観ていない方もいると思いますが、まずはストーリー

あの時、想いを伝えていたら
未来は変わっていただろうか。

始まりは18年前の台湾。カラオケ店でバイトする高校生・ジミー(シュー・グァンハン)は、日本から来たバックパッカー・アミ(清原果耶)と出会う。天真爛漫な彼女と過ごすうち、恋心を抱いていくジミー。しかし、突然アミが帰国することに。意気消沈するジミーに、アミはある約束を提案する。
時が経ち、現在。人生につまずき故郷に戻ってきたジミーは、かつてアミから届いた絵ハガキを再び手に取る。初恋の記憶がよみがえり、あの日の約束を果たそうと彼女が生まれ育った日本への旅を決意するジミー。東京から鎌倉・長野・新潟・そしてアミの故郷・福島へと向かう。
鈍行列車に揺られ、一期一会の出会いを繰り返しながら、ジミーはアミとのひと夏の日々に想いを馳せる。たどり着いた先で、ジミーが知った18年前のアミの本当の想いとは。

まず、主人公のジミーは、36歳。

大学時代に友人と立ち上げたゲーム会社を追い出されてしまうところから始まり、台南の実家に帰り、自室で1枚の絵葉書を見ることから、18年前の回想シーンになり、そこからは18年前と、現在が交差するように物語が進みます。

台湾/日本それぞれの旅先を見ていきましょう。

まず 18年前の台南

〜台南駅付近(徒歩圏内)〜
台湾首廟天壇
冒頭で、ジミーが通い、そして実はアミと最初にすれちがっていた場所。道教の神である玉皇大帝を祀って1854 年に建てられ、「天公廟」とも呼ばれている場所。

©️ 2024「青春 18×2」film partners

台湾では街の各所に大小の廟があり、実際ボクも台北でいくつか目にしましたし、夜市では買った食べ物食べる際のイートインスペースとして利用させてもらいました。

〜府中街/神農街〜
アミが訪れていた台南の観光地。風情ある古い街並みが特徴の「老街(下町)」

©️ 2024「青春 18×2」film partners

アミたちが買い出しに来た市場。野菜、海鮮、肉など、いろいろな食材が並ぶ水仙宮市場やジミーとアミが『Love Letter』を観た映画館、全美戯院。1950年に開業した二番館で、今なお残る手描きの映画看板が有名!などなど行ってみたいところがいっぱい。

ジミーとアミがバイクで過ぎ去る武聖夜市の街並みは、台南四大夜市の1つ。

©️ 2024「青春 18×2」film partners

ほかにも、ジミーとアミがバイクの二人乗りでぐるぐると回った台南東門城のロータリーや台南駅からバスやタクシーでちょっと行ったところにある、ジミーとアミがバイクで走り抜けた、海にかかる四草大橋、カラオケメンバーで行った海岸や冒頭、ジミーが台北から実家に戻ってきた際に降り立った駅、ジミーが通った大学などなど。。

なかでも、台北の十分駅はジミーがアミを連れ電車に乗って向かった場所で、台湾ではランタン(天燈)に願い事を書き空に飛ばすと願いが叶うとされており、十分駅は天燈上げの名勝。

実際にボクもあげてきました〜

そして、現在の日本

新宿ゴールデン街

来日し、会食後に訪れたバーがあるのが、ここ、ゴールデン街。

©️ 2024「青春 18×2」film partners

ジミーの旅の出発地点となるJR品川駅や
「SLAM DUNK」が好きなジミーが立ち寄った、聖地江ノ島電鉄 鎌倉高校前駅、
松本駅に降り立ったジミーが偶然入った居酒屋は台南出身のリュウが営む設定で、
信州・松本なわて通り商店街にある。
松本城やJR飯山線も登場する。
日本有数の豪雪地域を通るこの電車の中で、バックパッカーの幸次と仲良くなる。
終盤の桜まつりの隅田公園隅田公園も印象深い。

©️ 2024「青春 18×2」film partners

台湾(台南)、日本共にさまざまな場所でロケしています。

※映画の公式サイトにロケーションマップ がありますので、是非ご覧ください!

それぞれに趣のある場所が選ばれていて、台湾の夏のイメージと、日本の冬のイメージがうまくコントラストになっています〜

物語の結末は、是非ご覧になって、、、ですが、このお話、実は原作があります!

それがジミー・ライの

「青春18×2 日本慢車流浪記」

文章は中国語で書かれているのですが、漢字で、日本の風景が映し出されているので、なんとなくイメージは掴めます!(翻訳機能で大まかながら日本語で読めますし)

旅の行程は、映画オリジナルとなっている(アミの実家が映画では福島県の只見町ですが、実際は秋田県の由利本荘市)ようです。

それでもポストカードを頼りに住所を訪ねて訪れているのは本当のようです。

まさに、映画のような実際の話、だったのだとこのブログを読むだけでもよくわかります。

※最終的には本として出版されているようですね。

タイトルの「青春18x2」

そして、個人的にも気になったタイトルの「青春18×2」
映画を見ればわかるのですが、主人公のジミーが青春18きっぷを使って旅をした、というのもありますし、彼が旅した時の年齢が36歳(映画の中でも36歳と出てきます)。そう、18の2倍、だから「青春18×2」なんですね。

ボクは青春18きっぷを使った旅行をしたことがないのですが(学生時代割と周りで使っている人いましたけど)、もちろん大人でも使えるきっぷ

ちょっと時間を使ってゆっくり電車で巡る旅もいいかもしれませんね。

そして、次に台湾に行くときは、是非とも台南へ行ってみよう!と密かに?!心に決めました。

〜旅する映画館の紹介〜

「⽇常の延⻑線上にある映画(館)」をテーマに、映画を楽しみ語らうサロン的な雰囲気と場所を⽬指す。
主に10名程度の⼩規模で気軽な上映会に加え、映画だけでなく、映画に合わせたゴハンも楽しむ企画から刺繍ワークショップ、ミュージシャン、焚き火とのコラボなど+αの“体験”を加えた上映会、100人超の野外上映など年間で100回以上の上映会を各地開催中

<イベント告知>
6月の上映情報
・6月10日(月)20:00上映開始
ナワシロシネマ vol.26 『去年マリエンバートで』
@ナワシロスタンド(世田谷区下北沢)
https://note.com/cafedecinema/n/n49ca9040cf81

・6月11日(火)20:00上映開始
ゆるいえいがかん vol.84『ショップリフターズ・オブ・ザ・ワールド』
@yurucafe(豊島区雑司ヶ谷)
https://note.com/cafedecinema/n/n03d1a01b086d

・6月15日(土)17:30上映開始
Viaシネマ 2nd『月世界旅行』&『メリエスの素晴らしき映画魔術』上映会
@本で旅するVia(杉並区荻窪)
https://note.com/cafedecinema/n/n7a2477d26c2e

・6月18日(火) サロン de シネマ vol.52 予告編で盛り上がろう!「ラブレター、な」映画編【リアル&オンライン】
@オンライン& yurucafe(豊島区雑司ヶ谷)
https://note.com/cafedecinema/n/n085c0644f41f

・6月19日(水)20:00上映開始
ヱビスキネマ vol.164 /café de cinéma with ブリリア ショートショートシアター オンライン
@ビストロダルブル恵比寿店(渋谷区・恵比寿)

『青春18×2 君へと続く道』

【あらすじ】
始まりは18年前の台湾。カラオケ店でバイトする高校生・ジミー(シュー・グァンハン)は、日本から来たバックパッカー・アミ(清原果耶)と出会う。天真爛漫な彼女と過ごすうち、恋心を抱いていくジミー。しかし、突然アミが帰国することに。意気消沈するジミーに、アミはある約束を提案する。
時が経ち、現在。人生につまずき故郷に戻ってきたジミーは、かつてアミから届いた絵ハガキを再び手に取る。初恋の記憶がよみがえり、あの日の約束を果たそうと彼女が生まれ育った日本への旅を決意するジミー。東京から鎌倉・長野・新潟・そしてアミの故郷・福島へと向かう。
鈍行列車に揺られ、一期一会の出会いを繰り返しながら、ジミーはアミとのひと夏の日々に想いを馳せる。たどり着いた先で、ジミーが知った18年前のアミの本当の想いとは。

公式サイト:https://happinet-phantom.com/seishun18x2/
©️ 2024「青春 18×2」film partners

Writer:旅する映画館 café de cinéma主宰 ちゃっぴー

映画に憧れ、映画に携わることを夢見ながらさまざまな仕事を渡り歩くうちに、黎明期のVODビジネスに携わり、映画業界の端っこに飛び込む。VODビジネスに携わって20年という、たぶんVOD業界でもかなりの古株なんじゃないかな?と思いながら日々を過ごしています。やっぱり映画はスクリーンで観たい!という気持ちと、観たい映画がすぐ映画館のスケジュールから消えていくのが悔しくて、自ら上映会をはじめ、結果として年間100回以上の上映会を開催している。

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