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THEATER
May. 13, 2026 PRIZE

水のささやき/The Water Murmurs【ドラマ /14分】 2022年カンヌ映画祭パルムドール受賞 世界が水に沈む前、粒子に刻まれた、最後の記憶を求めて

Story

隕石衝突の影響で海底火山が噴火し、川沿いの町は水没の危機に直面する。避難前日、ニアンは幼なじみに別れを告げに向かう途中で町の人々とすれ違い、失われゆく故郷の記憶を胸に刻んでいく。
本作は35mmフィルムとデジタルの両方を使用して撮影されました。潮風の香りや岩肌の質感を伝えるための「粒子感」と、遠くの地平線や風景を鮮明に映し出す「クリスプな映像」を使い分けることで、終末に向かう世界の切なさと美しさを両立させています。
青と緑を基調とした色彩設計がなされており、批評家からは「タルコフスキー的(静謐で詩的な映像美)」とも評されました。
フランスの詩人シャルル・ボードレールの詩集『悪の華』に収められた「宝石(Les Bijoux)」からインスピレーションを受けたといいます。この詩が持つ官能的で、かつ喪失感の漂う雰囲気が、町を去る主人公の心情とリンクしています。
また、直接的な描写はありませんが、パンデミックによる隔離や「当たり前の日常が突然断絶される」という経験が、映画の根底にある「抗えない運命(自然の力)の前に立つ人間の無力さ」というテーマに影響を与えています。
長江の始まりの場所として知られる「水の街」四川省にある宜賓市(イピン)で撮影が行われ、
監督はこの土地が持つ独特の情緒から、「中国的なロマンチシズム」を投影したといいます。彼女は「この詩的で愛情深い土地との深いつながりは、他の場所では感じられなかった」と語っています。
主演を務めたアンナベル・ヤオ(姚安娜)は、ファーウェイ(Huawei)の創業者を父に持つ、中国では有名な人物。監督は彼女の「都会的でありながら、どこか浮世離れした静かな佇まい」が、変わりゆく故郷を彷徨う主人公の孤独感に合致すると判断し起用したそうです。

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Director

Jianying Chen
中国出身の映画監督、**チェン・ジエンイン(Jianying Chen)**は、ニューヨーク大学(NYU)で映画を学び、心理学を副専攻した経歴を持ちます。自身の感性を「東洋と西洋のハイブリッドな視点」と定義し、普遍的な人間愛やマイノリティ、LGBTQといったテーマに深い関心を寄せています。
2022年、短編『The Water Murmurs(海辺の昇華)』でカンヌ国際映画祭の短編パルム・ドールを受賞。本作では、SF的な設定を用いながらも、心理学の知見を活かした内省的で詩的な「記憶との対峙」を描き出し、世界的に高く評価されました。緻密な映像美を通じて、言葉の壁を越え感情を揺さぶる、次世代のアジア人女性監督として注目を集めています。

Info

製作国:中国
ジャンル:ドラマ
製作年:2022
上映時間:約14分
配信期間:2026/5/13~8/13
受賞歴:
●第75回 カンヌ国際映画祭 (2022)
短編パルム・ドール (Palme d’Or – Short Film):受賞
●平遥国際映画祭 (PYIFF) (2022)
審査員特別表彰 (Jury Special Mention):受賞

<ノミネート>
トロント国際映画祭 (TIFF)(カナダ)
メルボルン国際映画祭(オーストラリア)
レッド・シー国際映画祭(サウジアラビア)
ヴィンタートゥール国際短編映画祭(スイス)
ホリーショーツ映画祭 (HollyShorts)(アメリカ)
シネマフォーラム (CINEMAFORUM)(ポーランド)
ストックホルム国際映画祭(スウェーデン)
香港国際映画祭(香港)

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