2018年12月20日(木)、青色の幻想的なイルミネーションに彩られた渋谷・公園通り沿いにあるホテル「hotel koé tokyo(ホテル コエ トーキョー)」にて映画上映イベント『cinema koé(シネマ・コエ)#1』が開催されました。
「“いま”の渋谷を象徴する “あの人”がセレクトした“いま渋谷で観るべき映画”」を上映するという本上映会。第1回目の今回は、音楽・映画・ファッションなどジャンルを超えた活躍で渋谷カルチャーを象徴する音楽ユニット「水曜日のカンパネラ」のコムアイさんが登壇し、ご自身がセレクトした作品を紹介しました。
平成が終わろうとしている今、デザインにこだわったホテルで観る映画は、大正時代の東京を舞台にした映画。特別な空間で観る、この日限りの映画体験をレポートします。
「hotel koé tokyo」は、ライフスタイルブランド「koé」のブランドコンセプトである「new basic for new culture」を体現する場として2018年に誕生。通りに面した1階には訪日外国人を含め多様な来訪者で賑わうロビーラウンジ&ベーカリーレストラン、2階には「koé」の商品を販売するショップスペースがあります。
今回会場となった1階は全体的に照明を落とした落ち着いた雰囲気の空間で、客席の一部は2階へと続く大階段を利用して設営されていました。この階段は「koé space」として、ゲストDJのイベントなどにも使用されているそう。
会場の模様
上映会のプロデュースは、累計3万人以上が来場する「品川オープンシアター」や横浜赤レンガ倉庫を舞台とした「シーサイドシネマ」、 ロックバンドSuchmos とコラボレーションした「Suchmos ドライブインシアター」など、様々な上映イベントを手掛けるチーム「Do it Theater」が担当。
今回もこの会場ならではの企画で映画体験をつくりあげていました。
さて、当日まで何を上映するのかシークレットにしていたのがこの上映会の特徴。司会者の呼び込みで拍手の中登場したコムアイさんが、満を持して上映作品を発表しました。
この日の気になる上映作品は、『帝都物語』(1988年/日本)。
実相寺昭雄監督、荒又宏原作で、昭和63年に公開。明治~昭和初期の東京を舞台に、陰陽師や平将門の怨霊が登場する摩訶不思議アドベンチャーSF映画です。帝都壊滅を企む魔人・加藤保憲を名バイプレイヤー嶋田久作さんが演じています。
「いろんな感情が入り混じる映画です。強烈なキャラクターが自分に乗り移って、普段出てこない怖い側面がかき混ぜられて出てくるのを楽しんでください」とコムアイさん。
どんな映画が好きかで、その人の人となりがなんとなくわかるものですが、コムアイさん、なかなかマニアックなセレクトです・・・。
『帝都物語』(c)キネマ旬報DD
コムアイさん(写真左)
CGを使ったSFXのない時代ですから、造形など、少しおもちゃっぽく感じます。ですが、そこには作り手たちの工夫の痕跡が見えて、それはそれでいい味になっています。石田純一さんや佐野史郎さんの若い頃の姿を見るのも面白かったです(笑)
昭和の時代のSF邦画。ひとそれぞれ好みはあるでしょうが、私にとってはこうした機会がないと観ない作品でした。シークレット上映は、映画との新しい出会いを生む貴重な装置になる可能性を持っています。
「人造人間」が小鬼と闘うシーン。(c)キネマ旬報DD
キレイにまとまったオシャレイベントかと思いきや、なかなかディープな「渋谷らしい」映画体験となった今回の「cinema koé」。次回の開催には、皆さんも出かけてみてはいかがでしょうか?
hotel koé tokyo
hotel koé は、ライフスタイルブランド「koé」のブランドコンセプトである「new basic for new culture」を体現する場として、「今」と「未来」、そして「日本」と「世界」を見据えたグローバルな視点でデザインされたホテルです。ステイ/ファッション/ミュージック&フードの3つのキーワードを軸に日常と非日常の融合と新しい文化を生み出します。
http://hotelkoe.com/
Do it Theater
“あたらしいシーンは、Theater からはじまる”をテーマに活動する、イベントプロデュースチーム。 累計3 万人以上が来場する「品川オープンシアター」や横浜赤レンガ倉庫を舞台とした「シーサイドシネマ」、 ロックバンドSuchmos とコラボレーションした「Suchmos ドライブインシアター」など、 あらゆるスタイルの体験を意欲的に作り出している。
http://www.ditjapan.com