国際短編映画祭ショートショートフィルムフェスティバル & アジア(SSFF & ASIA)と連携して、国内外のショートフィルムを紹介しているBrillia SHORTSHORTS THEATER ONLINE。本連載では、一人ずつショートフィルム作家をご紹介しています。
今月は特別編として、全国劇場公開中のオムニバス映画「昨日より赤く明日より青く-CINEMA FIGHTERS project-」の監督をご紹介します。今回はGENERATIONS from EXILE TRIBEのパフォーマー、関口メンディー氏が主演する「真夜中のひとりたち」の新城毅彦監督にお話を伺いました。
※CINEMA FIGHTERS projectとは
作詞家 小竹正人の詞の世界観を脚本、映像(ショートフィルム)化。 新進気鋭の監督や著名な監督をむかえ、主演キャストにLDHメンバーが参加、EXILE HIROがエグゼクティブプロデューサー、SSFF & ASIA代表の別所哲也が企画・プロデュースでショートフィルムを製作する。LDH × SSFF & ASIAがタッグを組み今回で4段目となるプロジェクト。
新城毅彦監督
「真夜中のひとりたち」
<監督>
新城毅彦
<出演>
関口メンディー、阿部純子、村上淳
<主題歌>
“笑うしかないトラジディー”
数原龍友(GENERATIONS from EXILE TRIBE)
「笑うしかないトラジディー」ミュージックトレーラー
1 はじめて映画を作ったのは何歳の時でしょうか?処女作の内容を教えてください。
1993年31歳の頃にドラマ「あすなろ白書」で演出家デビューし、映画デビューは結構遅くて、40過ぎた頃に声を掛けてもらい、2006年に公開した『ただ、君を愛してる』が初監督作品です。玉木宏さんと宮﨑あおいさんのラブストーリーでした。
2 長編にはないショートフィルムの魅力はどんな点にあるとお考えですか?
限られた短い尺の中で、登場人物たちの人生の<ある瞬間>を切り取る、という試みに魅力を感じました。その瞬間、偶然人生が交差し、その後は一生出会わないかもしれない男女の一晩、というような制約をつけて、短い時間で、人間模様を描くのは面白かったです。普段長編映画で心掛けている日常の丁寧な積み重ねや、起承転結や、事象の分かりやすさを良い意味ですっ飛ばして、濃く交わっている一瞬を描く作業は新鮮でした。
「真夜中のひとりたち」より、阿部純子・関口メンディー
3 「Cinema Fighters project」のコンセプトである、詞×音楽×映像の掛け合わせについて、こだわった点を教えてください。
常々、音楽と映像の親和性は大切にしており、物語を観客に伝える方法として、音楽が鳴り始めるタイミングや、曲の盛り上がりをどのカットに充てるかなどを意識しています。今回は詞の世界観から物語を想起し、全てを作ったので、最後に楽曲が掛かるタイミングと、歌詞とカットのマッチングは特に意識しました。
4 コロナ禍で制作活動にはどんな影響がありますか?また、コロナ禍で生じる制約に対してどのように取り組んでいらっしゃいますか?
『真夜中のひとりたち』の撮影はコロナ前で、当時の撮影が懐かしいです。
コロナ禍での撮影は今までと全く違い、スタッフやキャストが飲みに行って交流を深めることも難しいですし、マスクで表情が見えづらいなど、これまで当たり前だったコミュニケーションが出来なくなりました。ロケーションを見つけることもこれまで通りと行かず、エキストラも減らさなければならないなど、様々な局面で、臨機応変な対応が求められるようになりましたね。こんな世の中でも撮影できることや、映画を観てくれる人が居ることは有難いですし、制約の中でもベストな作品を出したいと思っています。
5 今後作ってみたい作品や、取り組みたいテーマはありますか?
これまで若い男女のラブストーリーが多く、若者たちの青春や、実際に演じている若い俳優たちとの制作はとても楽しいですが、またそれらとは違った大人の人生の機微を描いた作品も今後、作りたいと思います。
新城毅彦(しんじょう・たけひこ)
1962年、東京都出身。ドラマ「あすなろ白書」(93年)、「イグアナの娘」(96年)等の演出を手がけ、97年に「君の手がささやいている」でATP賞グランプリ、02年に「アルジャーノンに花束を」で同ドラマ部門優秀賞を受賞。06年『ただ、君を愛してる』で映画監督デビュー。主な監督作に映画『潔く柔く』(13年)、『四月は君の嘘』(16年)、『ひるなかの流星』(17年)、『午前0時、キスしに来てよ』(19年)など。
『昨日より赤く明日より青く-CINEMA FIGHTERS project-』
詩と音楽、映像を一つに融合したプロジェクトの第4弾。今回は6篇全てにGENERATIONS from EXILE TRIBEのメンバーが参加。SABU「BLUE BIRD」はドジな兄と陽気な弟とのかけがえのない絆を、新城毅彦「真夜中のひとりたち」はそれぞれ大切な人を喪失した男女が歩く東京の一夜を、山下敦弘「言えない二人」は幼馴染に想いを伝えられない男のもどかしい気持ちを、森義隆「怪談 満月蛤坂」は美しい女の幽霊に愛された料理人の怪異を、真利子哲也「COYOTE」は新型コロナ禍で急変する世界を、久保茂昭「水のない海」は他人との関わりを避けてきた青年と中国人留学生との出会いを、監督それぞれの個性あふれる物語が展開する。
2021年11月26日全国公開
映画オフィシャルサイト http://www.akakuaoku.toeiad.co.jp/index.html
Writer:BSSTO編集部
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