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Jan. 12, 2022

【Creator's File】File14: 関 翼/Seki Tsubasa(『AREA』監督)

国際短編映画祭ショートショートフィルムフェスティバル & アジア(SSFF & ASIA)と連携して、国内外のショートフィルムを紹介しているBrillia SHORTSHORTS THEATER ONLINE。本連載では、一人ずつショートフィルム作家をご紹介しています。
今月はBSSTOで2022年1月25日まで特別配信中の「MIRRORLIAR FILMS plus(ミラーライアーフィルムズプラス)」プロジェクト3作品の監督をご紹介します。
2人目は1999年生まれの新星、自殺願望を持つ男女ふたりの旅を描いたショートフィルム「AREA」の関翼監督にお話を伺いました。

関翼監督

「AREA」

<監督>
関翼
<出演>
吉田樹、河合優実
<スタッフ>
撮影:杉元文香、録音:家守亨

<ストーリー>
インターネットで知り合った昴と香。彼らは心中を図るため、香の故郷である岩手を目指す。
ひきこもりの昴は謎の少女、香を前に死に対する自分の思いを再確認していく。

監督インタビュー

1. 「ミラーライアー」に加わった経緯について教えてください。

この映画のオフライン編集が終わったくらいのタイミングで「MIRRORLIAR FILMS」の一般の募集が始まっており、府川眞という俳優にこの企画を紹介されて応募しました。

2. 長編にはないショートフィルムの魅力はどんな点にあるとお考えですか?

うまく言葉にできませんが、リスクが少ないことだと思います。
今回の映画も莫大な予算を使ったわけでもないですし、決して厳しい撮影をしたわけでもありませんでした(吉田樹の髪はバッサリ切ったけど)。長編を撮ったことはありませんが、勝手なイメージ、プロの業界人を巻き込んで多くの金を使う。それによって絶対に成功させてないといけないというプレッシャーを感じながら製作をしなければならないと思います。スマホでも映画が撮れる時代になって、ショートフィルムは僕のような若い表現者たちにとって映画監督になれるチャンスを与えてくれるものだと思います。

「AREA」より

3. 「AREA」で一番こだわった点や、観客に観てもらいたい点はどんなところでしょうか?

なるべく役者に寄り添わずに撮影をすることにこだわりました。手を抜いているように聞こえるかもしれませんが、そんなこともありません。
準備期間中から本番まで、吉田樹君と河合優実さんは真面目な方々で、ずっと演技プランを考えて、悩んでいました。今回の映画のキャラクター二人は、とにかく何かずっと考えている。その姿が僕の中でキャラクターの人物とリンクしました。常に役者二人が何を考えているかを観察しながら、何も言わない。そんな日をとにかく繰り返しました。吉田樹くんはそのせいで不安がっていましたが結果的に思い描いていた以上の人物の姿を見せてくれました。
観客が何を見るかは自由なので特にないのですが、今回は普通だったら顔の寄りを見せるべき時に顔が見えないくらい引いた画角で二人を写している事が多いので、二人がどんな表情をしているのかなどを考えてくれたら嬉しいです。

4. コロナ禍で制作活動にはどんな影響がありますか?また、コロナ禍で生じる制約に対してどのように取り組んでいらっしゃいますか?

コロナ禍になっても正直最初の頃はめちゃくちゃ外で遊んでいましたが、色んな映画の現場がストップしている事を聞いて、在宅でなるべく人と関われる方法を探しています。
撮影はオンラインでやるわけにも行かないので少人数での撮影を心がけています。
「AREA」もスタッフ10人で撮影を行いましたが、出来る事をみんなで部署関係なく協力していきました。カメラマンが制作ボックスを運ぶ事もおかしいとは思わないし、監督が水を運んだりするのも別に悪いことじゃないと思います。

5. 今後作ってみたい作品や、取り組みたいテーマはありますか?

ちょうど今、転勤族の話を書いています。
「AREA」では地元に帰る話でしたが、次は地元がない人たちの話になります。
取り組みたいテーマは特にないですが、常に人が見て記憶に残る作品を作りたいなと思っております。

関翼(せき・つばさ)

1999年、神奈川県出身。2021年日本大学芸術学部映画学科監督コース卒業。卒業制作作品「AREA」が「ミラーライアープラス」の企画にてオムニバス作品の一つとして上映中。現在、新作の製作に向けて奮闘中。

MIRRORLIAR FILMS plus

伊藤主税(and pictures)、阿部進之介、山田孝之らが「だれでも映画を撮れる時代」をテーマに、メジャーとインディーズの垣根を超えて映画を作り上げる短編映画制作プロジェクト「MIRRORLIAR FILMS(ミラーライアーフィルムズ)」。俳優、映画監督、漫画家、ミュージシャン、一般公募からの選定クリエイター、総勢36名が監督した短編映画をオムニバス形式で4シーズンに分けて公開していくプロジェクトです。この選定クリエイター枠12作品に選ばれなかった407作品の中から、個性が際立つ作品をラインナップしたのが「MIRRORLIAR FILMS plus(ミラーライアーフィルムズプラス)」です。年齢・性別・ジャンルも異なる多彩な10作品を、1年間を通して全国主要都市のミニシアターで上映していきます。

Writer:BSSTO編集部

「暮らしにシネマチックなひと時を」
シネマな時間は、あなたがあなたに戻る時間。
「ブリリア ショートショートシアター オンライン」は、毎日を忙しく生きる社会人の皆さんに、映画のあるライフスタイルをお届けします。
毎週金曜日にショートフィルムをオンライン配信。常時10本ほどを無料で鑑賞できます。
https://sst-online.jp/theater/

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