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感性を刺激する、わずか8席の「短編映画の遊び場」として、短編映画の可能性を掘り下げていくシリーズプログラム「GINZAZA(ギンザザ)」の第2回目となる「GINZAZA Edition 2:コントロール Control」が、東京・銀座の地下駐車場にあるSony Park Mini(ソニーパークミニ)にて、2023年3月1日(水)~15日(水)まで開催されます。
「GINZAZA」は、映画監督の空音央(そら・ねお)、映画キュレーターの増渕愛子(ますぶち・あいこ)、デザイナーの真崎嶺(まさき・れい)、編集者の井戸沼紀美(いどぬま・きみ)で構成される「Team GINZAZA」と、Sony Park Miniがコラボレーションしたプログラム。第1回目の開催では、「短編映画を気軽に楽しめる映画館」、「鑑賞後にみんなで感想を語り合える」など大好評だったという本イベント。
第2回目となる今回は、世の中に溢れる「コントロール」をテーマに、世界中から集められた選りすぐりの短編映画9作品と、“スイカ割り” のプロセスを制作手法に取り入れたGINZAZA初のオリジナル映像作品「終電」が上映されます。
第2回目となる「GINZAZA Edition 2」では、「コントロール」をテーマにキュレーションした作品が15日間にわたって上映されます。私たちの身の回りに溢れる、様々なレベルの「コントロール」。劇中で描かれる登場人物たちの感情の動きや、画面を彩る光や音の一つひとつを追いながら、「コントロール」という言葉の持つ多様なニュアンスを自由に感じ取ってみてはいかがでしょうか。
上映作品ラインナップは、世界中から集められた選りすぐりの短編映画9作。『カンヌ国際映画祭』で短編部門のパルム・ドールを受賞した作品やアニメ、ドキュメンタリーなど注目作が勢揃いです。また前回のGINZAZAで好評だったという監督へのQ&A映像を今回も全作品でご覧いただけます。
会期中はTeam GINZAZAも会場を訪れ、来場者とともに短編映画談議に花を咲かせる予定とのこと!
『風(Szél/Wind)』
監督:マルセル・イヴァニ
写真家・ルシアン・エルヴェによる作品『Three Women(三人の女)』を基にした映画。1枚の写真の裏側に潜んでいたかもしれない物語を、台詞なし・モノクロの詩的な長回しが描き出す。1996年の『カンヌ国際映画祭』で短編部門のパルム・ドールを受賞。
6分・1996年・ハンガリー
『デカケツと私(My Fat Arse and I)』
監督:エリザベータ・ピスマック
自分が太っていると思い込み、激しいダイエットを決意する主人公を描くアニメーション。自身もかつてボディーイメージに悩まされていたという監督(1997年生まれ、ウクライナ出身)は、ある日ふと「ケーキやドーナツにこれほど激しい感情を抱くのはシュールな事だ」と気が付いたのだそう。劇中、『セーラームーン』にオマージュを捧げるような展開も。
10分・2021年・ポーランド
『コンスタント(Constant)』
監督:サーシャ・リトヴィンセヴァ、ベニー・ヴァーグナー
生活の中で、何の疑いもなく使用されている計測の単位「メーター(m)」は、どのようにして生まれ、一般的になったのか。同作は、その社会的・政治的な歴史をたどるドキュメンタリー。もともと人間の身体と密接な関係にあった計測の行為が、やがて身体から切り離されていった理由を、3D技術も多用しながら問うていく。
40分・2022 年・イギリス、ドイツ
『ニードル(Needle)』
監督:アナヒタ・ガズヴィニザデフ
主人公のリリーが耳にピアスの穴を開けるまでを描いたドラマ。アメリカを拠点に活動するイラン出身のガズィニザデフ監督は、自身にとって2作目の短編である同作で『カンヌ国際映画祭』シネフォンダシオン部門のグランプリを獲得。審査員の一人であったジェーン・カンピオンは『ニードル』をレナ・ダナムの作品と比較しながら称えたのだそう。
21分・2013年・アメリカ
『パッセージ(The Passage)』
監督:キタオ・サクライ
群馬で生まれ、オハイオ州で育ったキタオ・サクライが手掛ける「サイレント」映画。主人公のフィルが謎の文化圏をいくつもくぐり抜けながら、追手から逃げる様子をコメディタッチで描く。A24の話題作『エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス』で監督を務めたダニエルズも同作から受けたインスピレーションについて公言している。
22分・2018年・アメリカ
今回のGINZAZA では、アメリカでさまざまなデザイン技術を学んだ後、2017年より拠点を東京に移し活動するグラフィックデザイナー・真崎嶺が中心となって制作したオリジナル映像「終電」が世界初公開されます。
『終電(Last Train)』 真崎 嶺監督
真崎氏は日々、クライアントワークを含むデザインの仕事を続ける中で、自身のクリエイティビティを絶やさないためにはどうすれば良いかを考え始め、そして「まったくコントロールできないプロセスの中に、一度身を置いてみるのはどうだろう?」と想像するようになりました。
この話に興味を持ったTeam GINZAZAが、彼の想像を現実のものにするべく発足したプロジェクトが「スイカ割り映画プロジェクト」です。
『終電(Last Train)』 : Team GINZAZA制作作品
同プロジェクトの内容は、SFコメディ映画『不思議惑星キン・ザ・ザ』(ゲオルギー・ダネリア監督、ソ連、1986年)のワンシーンを、監督が実際の映像を観ないままに再現する、というものです。監督経験を一切持たない真崎氏が、GINZAZAチームから手渡された脚本資料だけを頼りに映画を作る様子は、まるで目隠しをされた挑戦者が目的に向かって棒を振り回す「スイカ割り」のようだった、とのこと。経験豊富な映画スタッフたちと一緒に作った、人気グラフィックデザイナーならではのこだわりが輝く映像作品です。
GINZAZAの会場では、真崎氏が完成させた映像と元のワンシーンの両方が上映されるということで、ますますプロジェクトの結果が楽しみです!
<真崎 嶺 プロフィール>
ニューヨーク生まれ。2017年から東京で活動している日系アメリカ人のグラフィックデザイナー。パーソンズ美術大学でイラストレーションを、クーパー・ユニオンにてタイプデザインを学び、現在はバーモント美術大学でグラフィックデザインの修士号を取得中。2022年に独立し、「Studio RAN」を設立。
会場では、無料でお持ち帰りいただける、デザイン:真崎嶺、編集:井戸沼紀美のフリーマガジン「ZineZaZa(ジンザザ)」が配布されます。同冊子には、文筆家・五所純子(ごしょ・じゅんこ)さんが「コントロール」をテーマに書き下ろしたオリジナル掌編が掲載されています。
また、チケットをご購入の方にはGINZAZAオリジナルステッカーがプレゼントされるほか、上映作品を全て鑑賞すると、GINZAZAオリジナルのピンバッジが進呈されます。
さらにSony Park Mini内にある西銀座駐車場コーヒーでは、GINZAZA会期中限定のコラボメニューとして、ポップコーンとアイスサンドがメニューに加わります。銀座散策の隙間にさくっと鑑賞するもよし、ポップコーンをほおばりながらゆるく深く語らうもよし。様々なスタイルで、新たな短編映画との出会いを楽しんでみてはいかがでしょうか。
<五所 純子 プロフィール>
文筆家。単著に「薬を食う女たち」(河出書房新社)。共著に「虐殺ソングブックremix」(河出書房新社)、「1990年代論」(河出書房新社)、「心が疲れた時に見る映画」(立東舎)など、映画・文芸を中心に多数執筆。
プログラム名称:GINZAZA Edition 2:コントロール Control
開催期間: 2023年3月1日(水)~15日(水)
開催時間: 月曜日~金曜日:9:30~20:00
土曜日、日曜日:10:30~19:00
場所: Sony Park Mini(東京都中央区銀座5丁目3番1号地先 西銀座駐車場地下1階)
アーティスト: Team GINZAZA(空音央、増渕愛子、真崎嶺、井戸沼紀美)
入場料: 100円(税込) / 1作品 ※GINZAZAオリジナル映像は無料
詳細: - 月曜から金曜は、10:00~19:00の1時間毎に1作品を上映。
- 週末の土曜・日曜は10作品を3つのコンセプトにカテゴライズし、
11:00 / 14:00 / 17:00の3回にて上映。
- 各回の本編上映終了後に、監督へのQ&A映像を上映。
- 入場は当日チケット制で、席数は8席。各回上映30分前に、
Sony Park Miniにてチケット販売を開始。
- 上映作品を全て鑑賞すると、GINZAZAオリジナルのピンバッジを進呈します。
- 上映スケジュールの詳細はGINZAZAウェブサイトをご覧ください。
- プログラムに変更等がある場合は、Sony Park公式SNSでお知らせいたします。
GINZAZAウェブサイト: http://ginzazafilms.com/
GINZAZA公式Instagram: https://www.instagram.com/ginzazafilms/
@ginzazafilms
ハッシュタグ: #ginzaza
空 音央
ニューヨークと東京を拠点に活動している映画監督、翻訳家、アーティスト。短編映画、ドキュメンタリー、PV、コンサートフィルムなどを数多く監督、撮影、制作。最新の短編映画『The Chicken・鶏』(2020年)は、『ロカルノ国際映画祭』で世界初上映した。
増渕 愛子
ニューヨークと東京を拠点とする映画キュレーター、プロデューサー、翻訳家。ジャパン・ソサエティーで映画部を担当後に独立し、MoMA、Film Forumなどでゲストキュレーターを務める。空音央の短編映画『The Chicken』(2020)をはじめ、いくつもの短編・長編映画をプロデュース。
井戸沼 紀美
福島県生まれ、都内在住。明治学院大学卒。大学在学中にニューヨークまで映画監督/詩人のジョナス・メカスに会いに行ったのち、同監督作の上映会を行なった経験をきっかけに、2018年から上映・執筆を軸にしたプロジェクト「肌蹴る光線」を主催している。
Sony Park Miniとは
Sony Park Mini は、2024年に完成を目指す新・Ginza Sony Parkに向け、東京・銀座の数寄屋橋交差点のほぼ真下に位置する西銀座駐車場の地下1階に2022年3月23日にオープンした、10坪の実験的POP-UPスペースです。「アーティストの鼓動を感じるプログラムを起動し続ける」ことをコンセプトに、訪れるたびに新しいプログラムとの出会いがある場をつくります。音楽、映画、アート、食、ファッション、ショッピングなど幅広い分野をテーマに、個性溢れるクリエイターやアーティストと共に、年間を通じて30以上のバラエティに富んだ実験的かつ挑戦的なプログラムを実施。またSony Park Mini内にある「西銀座駐車場コーヒー」では、厳選されたコーヒー豆から抽出したアメリカーノやカフェラテをはじめ、ミルクブリューやレモネードなどのドリンク、自然素材にこだわったヴィーガンのクッキーやパウンドケーキをテイクアウトにて販売しています。
公式WEBページ: https://www.sonypark.com/mini