Brillia Short Shorts Theater Onlineをご覧いただいている方から、一通のメールをいただきました。
「子どもたちにも、ショートフィルムの世界を伝えたい。小学校で上映や話をしてくれませんか?」
SNSやインターネット上でもショート動画があふれる現代。
映画との出会い方は、きっと私が小学生だった時代とは大きく違うのだろうな、そんなことを考えながらも、
長編映画ではなく、ショートフィルムだからこその親近感や、よりダイレクトに感じられるメッセージ、発見や共感を体験してもらおう、いつも目にしている映像はどうやって作られて、届けられるのか、そういったことを子どもたちと話せたら素敵だな。
とBSSTO編集部内での相談がスタート。
2023年11月に朝霞市の小学校で5年生たちにショートフィルムを紹介し、話をする機会が実現しました。
イベント当日、小学校の体育館は懐かしい雰囲気です。
児童100名以上の視線に、緊張しながらまずは国際短編映画祭ショートショート フィルムフェスティバル & アジアについて紹介しました。
世界120以上の国と地域から5000点以上のショートフィルムが毎年応募されてくる、アジアの中でも最大の映画祭です。
そして、「ショートフィルム」って何?
とイメージを膨らませてもらうにあたり、YouTubeやTikTokなど、日常生活で多くの人が触れている短い映像だって「ショートフィルム」であることを話しました。
どんな風にショートフィルムが出来上がるのでしょう?
続いては制作プロセスについても説明しました。
10分や15分の作品でも、企画から編集が終わって多くの人に見てもらうまで、そこに携わる人は100人以上になることもあります。
子どもたちからは「こんなに短い映画なのに」と驚きの声も聞こえました。
ショートフィルム『未来のカケラ』
会場では、実際にショートショートが制作したショートフィルム『未来のカケラ』を上映しました。
この作品は、東日本大震から5 年後の 2016 年に制作された作品で、
政府広報室が実施した東北支援のキャンペーン 「 東北 を元気にする 作文 短編 映画化 プロジェクト 」 で 最優秀作品に選ばれた 、 岩手県在住の岩間壮太さん(当時小学 5 年生) の 「 震災から 4 年と半年 感謝を忘れない )」 を原作に 、 SSFF ASIA がプロデュースしました。
制作プロセスについて聞いた後に、1つの完成作品を観ると、視点も変わり、作品の中で色々なことに気が付いたかもしれません。
参加してくれた5年生からはたくさんの感想や、新たに質問をいただきました。
ショートフィルムを作ろうと思ったきっかけは何ですか?どんなふうにストーリーをイメージするのですか?制作ではどんな機材をどのくらい使いますか?照明の使い方を知りたい。失敗したら最初から撮りなおすのですか?編集はどんな機械でどうやってやるのですか。企画や編集にはどのくらい時間がかかるのですか?出来上がるまでにどのくらいお金がかかりますか?ロケ地はどうやって決めるのですか?どんな風にセットを組んでいるのですか?思うような映像が撮れないときはどうしますか?役者さんを選ぶときどんなことに気を付けて選びますか?どうやって決めるのですか?映画を作るとき、嫌なこと、一番難しいことはありますか?ショートフィルムが完成したらその仲間とはもう会えないのですか?良い作品ができるまでにどのくらいチャレンジしますか?
映画祭にはどんなふうに応募が来るのですか?映画祭は、どのくらいの人数が集まりますか?何分くらいの作品が多いですか?どんなジャンルの作品が多いですか?何作品が選ばれますか?
などなど・・・!
「ショートフィルム」という存在を初めて知ったという声や、自分でも作ってみたい、という感想、そして、制作に関する細かな質問をたくさんいただいたことに、映像制作に対する高い関心度がうかがえます。
いただいた質問にはこれから一つ一つお返事したいと思っています。
今回の機会を通じて、5年生の視点を通じて、私たち自身が改めて、映像制作や映画祭について振り返り、新鮮な目で考えるきっかけになったなと感じています。
近い将来、ショートショート フィルムフェスティバル &アジアで参加してくれた子どもたちの作品が見られたら良いな、と思います。
ショートフィルム『未来のカケラ』(Piece of Future)
監督: 渡邊世紀 / 制作国 : 日本 / 制作年 : 2016 / ジャンル : ドラマ / 尺 : 15:17
出演: 須賀健太 大島麻衣 塩野瑛久 栗山航 戸塚純貴 六平直政
あらすじ :
一軒家の建築現場。見習い大工の壮太はある日、棟梁の及川から一人でお客様の物置を造るよう命じられる。
一人前の大工として認められるための初めての「お仕事」に、気合いの入る壮太。しかし、物置造りを進めていく中で、まだ会ったことのない施工主に対して、壮太にある疑問が湧く・・・。
見習い大工としての何気ない日常から明らかになっていく、壮太が大工になった理由。
そこには過去に自分と同じ痛みを背負った大切な人への想いが溢れていた・・・。
(本編URL)
https://youtu.be/c0nNvuP204I?si=wedoqvk27tqod78a
(制作背景)
2011 年 3 月 11 日に起きた東日本大震災は多くの命や財産を奪った災害であったと同時に、 生き方や人生に大切なことを見直す機会になりました 。
震災から5 年後の 2016 年に制作されたショートフィルム 『 未来のカケラ /Pieces of the Future 』 は 、政府広報室が実施した東北支援のキャンペーン 「 東北 を元気にする 作文 短編 映画化 プロジェクト 」 で 最優秀作品に選ばれた 、 岩手県在住の岩間壮太さん(当時小学 5 年生) の 「 震災から 4 年と半年 感謝を忘れない )」 を原作に 、 SSFF ASIA がプロデュースしました。
撮影は2015 年 12 月に原作者の岩間壮太さんが住む大槌町の仮設住宅や復興工事現場などで 、 町民の方々 、 復興作業に携わる方々などの協力のもと 、 行われました 。
メイキングビデオでは、撮影現場の風景や撮影に協力いただいた地元の方々のコメント、出演者や監督の作品にこめた想いも紹介していますでの、ぜひご覧ください。
(メイキング映像URL)
Writer:BSSTO編集部
「暮らしにシネマチックなひと時を」
シネマな時間は、あなたがあなたに戻る時間。
「ブリリア ショートショートシアター オンライン」は、毎日を忙しく生きる社会人の皆さんに、映画のあるライフスタイルをお届けします。
毎週水曜日にショートフィルムをオンライン配信。常時12本ほどを無料で鑑賞できます。
https://sst-online.jp/theater/