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Apr. 01, 2020

【イベントレポート】新しい映画の楽しみ方
「ショートフィルムを2度みる会 vol.3 “LOVE”」をレポート!

2020年2月10日(月)、渋谷区神南のコワーキングスペース「The Hive Jinnan」にて「the Hive Screening × Brillia SHORTSHORT THEATER ONLINE ショートフィルムを2度みる会 vol.3 “LOVE”」が開催されました。

Brillia SHORTSHORTS THEATER ONLINEを運営する(株)ビジュアルボイスとThe Hive Jinnanとの共催で、2ヶ月に1度のペースで定期開催されている本イベント。文字通りショートフィルムを2度観て、参加者同士でその感想をシェアし合うワークショップ形式のイベントです。

今回はBSSTOライターインターンの安田佳織がイベントの様子をレポートします。普段一人で映画を観ることが多い私にとって、人と感想をシェアしながらの映画鑑賞は新鮮で、充実した2時間になりました。

「ショートフィルムを2度みる会」とは?

本イベントは「新しい映画体験」を目指して、BSSTOが開催するワークショップ形式のイベントで、The Hive Jinnanでの開催は今回が3度目。
文字通り同じショートフィルムを2回鑑賞するのが本イベントの特徴です。1回目、2回目の鑑賞の後にはそれぞれ10分程度のトークタイムが設けられ、参加者同士で映画を見た感想をシェアします。

当日は21名が参加。7人1組で3テーブルに分かれて座り、各テーブルには対話型鑑賞の経験が豊富なファシリテーターがひとりずつついてくれました。

まずは各テーブルにあらかじめ置かれているショートフィルムのワンシーンを印刷したポストカードを1枚選んでから自己紹介へ。参加者が順番に名前、参加した理由、そしてなぜそのワンシーンを選んだのか理由を話します。初対面の人に自分の意見を話すことに躊躇いを感じる人もいるかもしれませんが、この自己紹介がいいウォーミングアップになったようです。カードのチョイスやその理由に早くも着眼点の違いが見えてきて、この後のトークタイムが楽しみになりました。

私自身、映画は好きでも特別詳しいわけではないので、「映画のトークイベント」に正直少し不安な気持ちがありました。でもこのイベントでは、肩書きや年齢、知識の有無は関係なし。初対面同士でも、リラックスして楽しむことができます。

「早く2回目がみたくなる」感想をシェアする面白さ

自己紹介が終わるといよいよショートフィルムの鑑賞に移ります。
今回鑑賞したのは、『The Girlfriend Experience /リアル恋人体験』(アメリカ/2015)と『パンダ・インフルエンザ』(フランス/2014)の2作品。どちらも恋愛をテーマにした作品ですが、少々クセのある恋愛の形が描かれています。

まずは『リアル恋人体験』から鑑賞しました。

The Girlfriend Experience / リアル恋人体験』( Mark Kunerth監督 / アメリカ / コメディ / 2015 )
→2/28〜5/27 BSSTOにて配信
別れて半年も失恋を引きずっているマックスは、インターネットで見つけた「リアル恋人体験」の利用を決める。そのサービスは彼の期待をはるかに超えるものだった…

1回目の鑑賞が終わると、各テーブルでのトークタイムに入ります。私たちのテーブルでは、一度ファシリテーターが映画の内容を整理してくれた後、それぞれが気になったシーンを付箋に書いてみました。
「なぜ男性は腕立て伏せをしているのか」といった素朴な疑問から、「実はこれは女性側の優しさなのでは?」なんて深い考察まで様々。同意の声が上がることもあれば、斬新な視点や独特の受け止め方に思わず唸ってしまうこともあります。「次観るときはそこに注目してみよう」と早くも2回目の鑑賞タイムを待つ声も。

10分ほど話した後、2回目の鑑賞に入ります。2回目は鑑賞しながら周りの人たちとのおしゃべりもOK。先ほどのトークタイムででた部分を一緒に見直したり、新たに気になる部分があったり、1回目とは違うワイワイとした鑑賞タイムになりました。

2回目を終えると、再びテーブルごとにトークタイム。1回目のトークタイムよりも、参加者同士「早く話したい!」という雰囲気がありました。「さっき話してたあのシーンはどうだった?」とお互いに確認をしてみたり、さらに新しい視点が飛び出したりと、より深く映画の内容が見えてきます。

続いて、同じ流れで2作品目の『パンダ・インフルエンザ』を鑑賞しました。

『The Panda Flu / パンダ・インフルエンザ』(Sammy Hossenny監督 / フランス / コメディ / 2014 )
→3/27〜6/26 BSSTOにて配信
ポールがパリの街をジョギングしていると、数ヶ月前に別れた元彼女と再会する。しかし「パンダ・インフルエンザ」のせいで彼女はポールのことを全く覚えていなかった・・・。

2本目でリラックスしてきたのか、先ほどよりも積極的に感想を話す様子が見られました。私がいたテーブルでは、「元彼女はいつからポールの存在に気がついたのか」という話題で盛り上がり、2度目の鑑賞では全員で彼女の一挙一動に注目。謎解きのような楽しさもありつつ、「正解がない」こともまた魅力です。

参加者からは1本目の『リアル恋人体験』が比較的わかりやすいアメリカ映画で、2本目の『パンダ・インフルエンザ』が抽象的なフランス映画という上映の順番が良かった、という声もありました。『パンダ・インフルエンザ』のトークタイムで『リアル恋人体験』を引き合いに出して比べる人も。複数の作品を一度に観られるのもショートフィルムの魅力です。

 

また今回はテーマが「恋愛」ということもあり、男女で共感ポイントや受け止め方が違う部分が多くあったようです。例えば『リアル恋人体験』で恋人役として現れた女性のマシンガントークにうんざりしてしまう主人公・マックスに共感する男性陣に対し、女性陣の中には身に覚えがあるのか「以後気を付けます・・・」と自己反省が飛び出す人も(笑)

トークタイムでは大爆笑が起こる賑やかなテーブルもあれば、穏やかに談笑するテーブルもあり、盛り上がり方も様々です。人それぞれの価値観を否定することなく、かといって遠慮し合うわけでもなく、新鮮な発見として受け止め合う温かさがありました。普段は一人映画派の私ですが、「だれかと一緒に観る」ことの楽しさに気づかされました。

ショートフィルムの楽しさが何倍にもなる

今回のイベントに参加して感じたのは、「2度みる会」はショートフィルムだからこそできるということです。2時間の長編映画では2回観るのも大変ですし、あとから感想を共有しようと思っても忘れてしまっている部分が多いかもしれません。ですがその点ショートフィルムは長さもボリュームもちょうどいいのでしょう。

シェアタイムの楽しさは、自分では気がつかなかった部分や自分とは違う視点に出会えること。逆に言えば、一人で観ているとこんなに見逃している部分があったんだ!と衝撃を受けました。他の人の感想を聞いた上で観る2回目のショートフィルムは、1回目とはまた違うストーリーに見えてきます。細かいところまで目を向けて、内容をより濃く、深く考えられるので、何倍も映画を楽しむことができると思います。

またこのイベントのもう一つの醍醐味は、映画を通じたコミュニケーションが生まれること。
参加者は初対面ではありますが、各テーブル盛り上がりを見せていました。ただ黙って椅子に座って映画を見るのではなく、2度観て、それについて話すという「映画体験」を通じて一気に距離が縮まります。「映画」という共通項のもとで、自然と「自分のことを話そう」「相手の話を聞こう」という姿勢が生まれ、会話が弾んでいくのかもしれません。

最後に同じテーブルの方が「映画について話していたけど、その中で相手のひととなりや性格がなんとなく見えた気がする」とおっしゃていたのが印象的でした。確かに、その映画をどう受け止めるかは、その人のいままでの経験や、持っている価値観が反映されるもの。普通に自己紹介して、食事やお茶をするよりも、相手がどんな人かよくわかるような気がします。初対面の人に限らず、学校や職場の同僚、友人同士で「2度みる会」をやってみたら、相手の新たな一面が見えて面白いのではないでしょうか。

今はインターネットやSNSで他の人の映画の感想を簡単に見ることができる時代。ですが今回のイベントのように時間を共有し、みんなでワイワイと過ごす映画鑑賞にはまた違った楽しさがあります。その場で感想を言い合うことで、インターネットの口コミにはない新鮮な発見があり、とても刺激的な時間でした。

今回上映された『リアル恋人体験』『パンダ・インフルエンザ』はBSSTOで配信されています。そちらもぜひご覧ください。

the Hive Jinnnan

香港、シンガポール、タイ、ベトナム、台湾、オーストラリア、日本にオフィスをもつ、アジア最大のコワーキングスペースネットワーク。渋谷の公園通りから1本入った場所にある「the Hive Jinnnan」は、日本での第1号店として2018年11月にオープンしました。
ヴィンテージと日本文化の要素をミックスされた洗練されたデザインの建物は、1階はラウンジスペース、2階はメンバーの専用デスクが並ぶオフィススペース。ラウンジでは映画以外にも様々なイベントが実施されています。

Writer:安田佳織

「ブリリア ショートショートシアター オンライン」インターンライター。日曜の朝一上映とコーヒーを愛する大学4年生。

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