Brillia Short Shorts Theater Online(BSSTO)では、いつもオンラインシアターを見てくださっている方から、作品ラインナップやマガジン記事、開催イベントに関する感想や意見をよりダイレクトに聞いたり、未来に向けたアイディア交換ができる場を設けようと、サポーターズMTGを開催していくことにしました。
今回は11月7日に実施した第2回目の様子をレポートいたします!
今回のミーティングでは、前半に映画の対話型鑑賞ワークショップ「ショートフィルムを2度みる会」を実施しました。
ファシリテーターとしてワークショップデザイナーの長南雅也さん、
BSSTOサポーターとしてYさん、Sさん、Aさん、Bさん、Iさんの5名、そしてBSSTOより編集長の田中が参加しました。
左上より『ある夏の始まりに』『ホーム・スイム・ホーム』『最後の一線』『最後の試験』『真冬のトラム運転手』『11時の予約』『Delivery Health』『スーパーマン、スパイダーマン、バットマン』
まず最初は「印象に残っているショートフィルム」を含めた自己紹介。
Yさんは『ある夏の始まりに』、Sさんはミランダ・ジュライの短編小説が原作『ホーム・スイム・ホーム』、Aさんは『最後の一線』、Iさんは『最後の試験』、Bさんは『真冬のトラム運転手』、『11時の予約』、長南さんは森山未來監督の『Delivery Health』、編集長の田中は『スーパーマン、スパイダーマン、バットマン』とそれぞれの思い入れ作品が紹介されました。
BSSTOで配信中のショートフィルム『ワンダー』より
今回「ショートフィルムを2度みる会」のお題となる作品は、現在BSSTOで配信中の『ワンダー』。
ハロウィン間近のNYブルックリンを思わせる街角。
帰宅途中の小学生たちがハロウィンでお菓子をどれだけ集めるのか、何のコスチュームを着るかを話しながら歩いているシーンからスタートします。
15分間の作品が終わると、対話時間スタート。
作品を観ての感想、不思議に思ったこと、意見、どんなことでも話して良いし、それをきちんと聞いて、他人の意見に対する批判はなし。それがルールです。
最初はIさんより、「登場するお父さんの心境描写」について、「何を考えていたのだろう」とコメント。
子どもからの告白を聞き、夜中のキッチンで一人夕飯の残りを食べながら考えるお父さんの表情は、明確に言葉で語られない分、観ている人に解釈の余白を与えます。
長めに描かれるこのシーンについてはSさんからも、父子家庭を想像させる家の中で、「完璧ではないお父さん、息子への人一倍強い想いをもつお父さん」を感じられた、「もしかすると、この作品は親と子で見てもらいたいと思って作られたのかも」と続きました。
Aさんは「イラストやアメリカンな音楽と、作品が描くテーマのシリアスさのコントラストが面白いなと思った。」「クリスマスでもニューイヤーでもなく、ハロウィンだからこそ(仮装する)のストーリーだなと感じた」と語りました。
音楽の使い方(お父さんがラップ調で息子に絡むシーンも)が印象的だったことと、ご飯を食べているときの、ソファの皮のベロベロ剝がれているところを息子が触り続けながら会話するシーン(心理的な表現)、街のゴミが置かれている様子や、(ダイバーシティと叫ばれ続ける現代)差別感満載の子どもたちの会話、などリアリティある演出が良かったとのコメントも。
BSSTOで配信中のショートフィルム『ワンダー』より
「音楽が素敵」、「ソファがボロボロ」「お父さんがセス・ゴードンに似てる」「ここの日本語訳がうまい」など、友達と映画を観ながらおしゃべりをしている気分で2回目の鑑賞を行いました。
視聴後は再度、対話時間。
「息子が踏みつけられた花を持って帰るところ、部屋に飾られている子どもの絵やコスチュームづくりの器用さなど、繊細でセンスのある子どもの演出も見えてきた」
「お父さんと子どもがお菓子を一緒にもらいにいく(子ども同士で行くことが多いのに)ところでは、
やはり改めて親子関係やお父さんの「守りたい、応援したい」姿勢がうかがえる」
など1回目では気づかなかった点に話題が集まりました。
作品は、友達の一言で終わります。
長南さんより、このセリフはどう思いますか、と投げかけられると、
「現実世界の厳しさ(差別的な人もいる)と、守ってくれる人の対比が表現されていた」
「父親への愛情に対する嫉妬、くやしさみたいなものが現れていたのでは」と意見がありました。
最後は「ショートフィルムを2度みる会」に参加してみての感想をお聞きしました。
「2度みると違いに気づくし、漫然とみるより緊張感があってよい」
「1回目は話に集中しているので見落としているところも多い、2回名は細かい点、監督やスタッフの演出、音のこなどが見えて、気付けて面白い」
「全く知らない方々の感想や意見を聞けるのが面白い」
と、作品についての理解や視点をより深めることができること、また、価値観や嗜好が異なる人たちとも意見交換する面白さを語っていただきました。
後半はBSSTOから皆さんに質問。
「生活の中のどんなシーンでショートフィルムを楽しんでいるか」をお聞きしてみました。
メールマガジンで情報が届いた際など、不定期でオンラインシアターに訪れてくださる、週末に時間があるリラックスタイムに楽しむ、また、カフェに入るように「観たいなと思うときに観る」といった声がありました。
ショートフィルムの魅力についても話しました。
「誰もが理解しやすい作品というよりは、表現から考えさせられたり、解釈の余白があったり、抽象的・アート的な作品が好きでショートフィルムを見る」
「感情を揺さぶられる、というよりも感性を刺激されるのがショートフィルムなのかも」。
確かに、と改めて感じるコメント多数。
さらに、もっと多くの人に魅力を伝えるには、をテーマにアイディア交換も。
「YouTubeでショートフィルムの解説動画を発信しては?」
「YouTuberの方の番組内で作品配信したら?」という意見もありました。
「長編映画の前にショートフィルムがついていたら観たい」、
また、「映画を観るのが好きな人は、自分で作ってみたい、という人も少なからずいるのではないか、そういう人たちに向けて映画制作が体験できるワークショップをやってほしい」
といった声もありました。
他にも、サポーターの方々が個々人で「「ショートフィルムを2度みる会」のような上映会を実施してみたい」、
「推しショート作品のコメントを集めてみたい、書いてみたい」
といったリクエストもあり、今後ぜひ具現化に向けてBSSTOでも検討してみたいと思います。
第3回のサポーターズミーティングについて、また近々参加募集のお知らせをいたします!
お楽しみに。
ショートフィルムを2度みる会 ファシリテーター
長南雅也さん
一般財団法人生涯学習開発財団 認定ワークショップデザイナー、京都芸術大学 対話型鑑賞講座受講。映画とアートと対話で、「自分らしさを引き出し、違いが楽しめる場」をつくっています。
Writer:BSSTO編集部
「暮らしにシネマチックなひと時を」
シネマな時間は、あなたがあなたに戻る時間。
「ブリリア ショートショートシアター オンライン」は、毎日を忙しく生きる社会人の皆さんに、映画のあるライフスタイルをお届けします。
毎週水曜日にショートフィルムをオンライン配信。常時10本ほどを無料で鑑賞できます。
https://sst-online.jp/theater/