映画によってもたらされる幸福感。
それは他に類を見ない特別な心の高揚だ。
そしてお菓子もまた、他に類を見ない特別な幸福をもたらしてくれる存在ではないだろうか。
『映画』と『お菓子』
そんな愛すべき2つを掛け合わせる事によって心に鳴り響く幸福の汽笛。
このコラムは、特定の映画に似合うお菓子を開発または発見し、それを味わいながら作品に触れる事で、登場人物や作品を、より理解したり、より幸福感を感じられるような『幸せの方程式』を見つけていこうというコラムだ。
今月のコラム「映画とお菓子の方程式」のテーマは、ブリリア ショートショートシアター オンラインでの「戦後80年の夏:戦争が語るもう一つの真実 ~Another Truth特集」に合わせて、懐かしさと近代感、そして青春。ひと夏の戦争を描いた名作映画『サマーウォーズ』。こちらの作品をお菓子とマリアージュ。
夏もど真ん中。波はジェットコースター。素敵な風を集めながら君をさらってもよろしいでしょうか?遊びに学びにやりたい事が積もる8月ではありますが、ひとひらのスキマ時間にお読みいただけたら幸いです。
(C)2009 SUMMERWARS FILM PARTNERS
・あらすじ
あと一歩のところで数学オリンピックの日本代表になれなかった高校2年生・小磯健二は、買い物や行政手続きなどあらゆることができる仮想世界「OZ」の保守点検のバイトをしながら、夏休みを過ごしていた。そんなある日、健二は先輩の夏希に頼まれ、長野県上田市にある彼女の実家に行くことになる。憧れの先輩との旅行に胸を躍らせる健二だったが、夏希は曾祖母・栄の誕生祝いのために集まった親戚一同の前で、突然健二を自分のフィアンセだと紹介する。一方、「OZ」の世界では恐ろしい事態が発生。健二のアカウントが乗っ取られてシステムに障害が発生し、健二が容疑者として疑われてしまう。そして、その障害は世界に危機をもたらそうとしていた。
(C)2009 SUMMERWARS FILM PARTNERS
公開された当時はまだ未来の話のように感じた世界観も、今ではすぐにでも起こりそうな出来事に感じる。最新のテクノロジー戦争に対して古来の”戦(いくさ)”で挑む夏希のおばあちゃんや、花札で戦う夏希がそれはもう胸アツなんですよね~。
空の色、雲の形、家族、高校野球、青い恋、アサガオ、田舎。
エアコンの効いた部屋で観ていても「夏」という成分全てが凝縮されたカプセルを飲んだかのように心いっぱいに夏を感じることでしょう。
そして最後には「仕上げはお母~さん 」と同じくらいの説得力で山下達郎の歌が流れてきて僕らの心は完全に夏色に仕上がる。
ありがとう夏。
ありがとう青春。
ありがとう、、、、、達郎。
それでは今月はこの素敵な映画をお菓子にしてみましょう。
今回も”映画の余韻に包まれながら食べたい”というコンセプトだ。
この作品の余韻に含まれるのは、「感動」や「青春」そしてもっとも含有量が高いのは、やはり「夏」ではないだろうか。
僕の人生の中での夏と言えばスイカだ。
母親がスイカが好きで子供の頃から夏の夕食の後には冷えたスイカを家族でよく食べていたからだ。
スイカの種を勢いよく口から飛ばしたり、種を眉間につけて「千昌夫。」と言うのが僕の持ちネタだった。そしてよくお腹を壊していました笑。
スイカパウダーを使い、どこかスイカバーのような味に仕上がったこのマカロンは、食べすぎてもお腹を壊さない、大人になった僕の夏のお供となりました。
サマーウォーズを観て、山下達郎を流しながら皆さんの子供の頃の夏の思い出なんかを蘇らせながら食べると素敵な余韻をすごせるのではないでしょうか。
こんな感じでキャプテン・カズマ カラーを作ってみました。かわいいですね。
そして、今月のBSSTO では、第二次世界大戦後80年となる今夏8月に、過去から現在もなお、世界で治まることがない戦争が様々な視点で描かれるショートフィルム4作品を2025年8月6日(水)〜4週に渡り連続でお届け中です。
その中からおすすめ作品をピックアップ。
戦場の音 / Blitzmusik
〜敵が同志に変わるとき〜
製作国:カナダ
ジャンル:ドラマ
上映時間:約8分
配信期間:2025/8/13~2025/11/13
【あらすじ】
ガスとラースは敵対する勢力に属している。戦争の真っ只中、学校に閉じ込められた2人を隔てているのは1枚の壁のみ。互いに弾薬が切れると、彼らはその場で手に入れられる物、楽器を使って戦い始める。
アナとの約束 / Anne
〜これは“彼の記憶”なのか、“彼自身”なのか。〜
製作国:イタリア
ジャンル:ドラマ
上映時間:約15分
配信期間:2025/8/20~2025/11/20
【あらすじ】
悪夢にさいなまれるジェームス。それは第二次世界大戦中の兵士の記憶だった。一体誰の記憶なのか?両親は懸命に解決の糸口を見つけようとする。
◇この2作品めっちゃ好きでした。「戦場の音」は”楽器を使った戦い方”というのがエモかったし、男気溢れる作品でした。「アナとの約束」は結末にきっと感動しますよ。
この他にも今月は素敵な作品がたくさんですのでその他の作品もぜひ観てみてくださいね。
いかがでしたでしょうか。
今月も「映画とお菓子の方程式」をお読みくださりありがとうございます。
毎月ワンピースの扉絵のような近況報告ですみませんが捻挫もだいぶ回復してきて徐々にリハビリウォーキングを初めています。夏の江ノ島は気持ちがいいなぁ。
それでは皆さんも体調に気をつけて元気で、
また来月お会いしましょう!
Writer:ダイスケおじさん(インスタグラマー)
はじめまして。インスタグラムでユーモアたっぷりに映画の紹介をしています。長い独身生活で育ってしまった料理の腕前を活かし、皆さんの映画ライフを少しでも幸せなものに出来たらと思いこのコラムを執筆する事にしました。
ホッコリと味わっていただけたら幸いです。
Instagram:@daisuke.ojs