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Feb. 26, 2026

【イベントレポート】BSSTO8周年記念 映画×食×ワインが共鳴する 「ショートフィルムペアリングレストラン」開催レポート

株式会社ビジュアルボイス(代表取締役:別所哲也)が運営するショートフィルム専門オンラインシアター「BSSTO」は、開設8周年を記念し、五感で物語を体験する新感覚イベント「Future Stories on the Table ~ショートフィルム・ペアリング・レストラン~」を開催いたしました。

イベントには、ショートショート フィルムフェスティバル & アジアのアンバサダーであるLiLiCoさん、会場となった東京・八重洲の、「リジェネラティブ(再生)」をコンセプトに掲げるイノベーティブ・キッチン「8go(エゴ)」を率いる、ミシュラン一ツ星・グリーンスターに輝く野田達也シェフ、サステナブルなワイン造りを実践する「トーレス」のジル・セラ氏が登壇。

ショートフィルムを1作品ずつ鑑賞しながら、作品テーマに連動する食事とワインが提供され、そのペアリングを楽しみながら、ゲストと共に、地球と自身の未来を考えるきっかけを考える一夜となりました。

左より、MCの東紗友美さん、野田達也シェフ、LiLiCoさん、トーレスのジルさん

<イベントレポート:五感で味わう未来の物語>

第1部:失われた光と再生

最初に上映されたのは、太陽の光が失われた世界を描く『日の光に包まれて』を上映(現在、BSSTOで無料配信中)。
作品についてLiLiCoさんは、「ミラーボールが人生のありがたみを照らすために使われる演出に驚きました。最後に少女がこちらを見つめるシーンは、地球のために何ができるのかという問いかけ」と、その強いメッセージ性に感銘を受けていました。

この世界観にペアリングされたのが、野田シェフによる「大都市のシーザーサラダ」です。
PLANTX社が生産する水光栽培のレタスや、野菜の端材を再利用したシートが使われており、野田シェフは「どんな環境下でも食を未来に繋ぐ、再生(リジェネラティブ)への解決策。本来の素材が持つ力強い味を、一歩立ち止まって感じてほしい」と、料理に込めた革新的な意図を明かしました。

サラダを味わったLiLiCoさんも、「まさに『緑』そのものを感じる。素材の味をそのまま味わってほしいと言える一皿」と驚きを隠せませんでした。

そして、共に供されたのは、1980年代から持続可能なワイン造りに注力し、サステナブルなワイン造りの世界的リーダーとして知られるトーレス社の「サングレ・デ・トロ・ブランコ」。オーガニックを超え、地球環境を回復させる再生型農業による、スペインの伝統品種が生み出すフローラルな香りと力強い酸は、まさに料理に寄り添う味わい。

乾杯の「サルー!」という声が響く中、参加者は物語と食、そして地球の未来を想うワインが溶け合う新感覚の体験に酔いしれました。

1皿目に提供された「大都市のシーザーサラダ」

2皿目に提供された「椎茸の一口グラタン」

第2部:野生との共存と、古来品種の復興

ショートフィルム2本目は、カナダの極夜の街に現れる白クマを捉えたドキュメンタリー『Nuisance Bear(迷惑なクマ)』。LiLiCoさんは「人間と動物、どちらがどちらの場所にお邪魔しているのか。スマホを向けられるクマの違和感は、現代の私たち自身の姿にも重なる」と、共存の難しさを語りました。

これに合わせた料理は、NTTが森林保全と地域活性の過程で最新のアグリテックを活用し育てた椎茸を使った「椎茸の一口グラタン」。豆乳グラタンソースで仕上げた一皿に、LiLiCoさんは「乳製品アレルギーのある家族も安心して食べられる。素材の味が凝縮されている」と絶賛。野田シェフは「ただ消費するのではなく、循環に繋がる食材の選択肢を問いかける一皿」と説明しました。

ペアリングワインは、トーレス社の「クロ・アンセストラル」。ジル・セラ氏は「気候変動に対応するため、40年前から復興に取り組んできたスペインの古来品種『モネウ』を使用している。少し冷やして味わうことで、複雑さとフレッシュさが際立つ」と解説。

野田シェフも「若い土を思わせる余韻が、キノコの風味と完璧なアリアンス(結婚)を見せている」とその相性に感銘を受けていました。

第3部:海の神秘と「ゴミ」から生まれる価値

最後を飾ったのは、海洋生物と機械が融合したアニメーション『Hybrids(ハイブリッド)』。
LiLiCoさんは「神秘的な海の世界の先に、人間が出したゴミというラスボスがいるような感覚」と、作品が放つ環境への警鐘を鋭く受け止めました。

料理は、キャビア採取後に廃棄されがちな魚体に着目した「森のチョウザメ」。野田シェフは「フードロスをなくし、命をありがたく頂くための挑戦」と語り、添えられた小松菜についても、江戸川区発祥のお野菜と東京の地産地消を守る高倉農園さんの情熱を伝えました。合わせたワインは、エメラルド色に輝く「ヴィーニャ・エスメラルダ」。

ジル氏は「マスカットの華やかな香りと、スパイシーな料理にも負けない絶妙な甘さと酸のバランスを楽しんでほしい」と紹介。

LiLiCoさんは「鼻からブドウが抜けるようなジャスミンの香り。危ないくらい進んでしまう」とその魅惑的な味わいに酔いしれました。

上映された3作品『陽の光に包まれて』「迷惑なクマ』『ハイブリッド』

3皿目に提供された「森のチョウザメ」

終幕:一期一会の「ゴミのスープ」と未来への責任

イベントの締めくくりには、8goの象徴的なメニュー「ゴミのスープ」が振る舞われました。

野菜の切れ端を乾燥させ、水で煮出し、塩のみで味を引き立てたこのスープをジル氏は「驚くほど複雑で素晴らしい価値の昇華」と称賛。

野田シェフは「かつては理解されなかったが、今は皆さんの意識が変わり、価値を感じてもらえるようになった。料理を通して時代の変化を感じる」と感慨深く語りました。

最後に、ジル氏は「何を選び、何を消費するかが次の世代への責任」と述べ、LiLiCoさんは「一歩足を運んだ先に幸せがある。今日が未来を考えるきっかけになれば」と結びました。

ショートフィルム、食、ワインという3つの要素が「リジェネラティブ」という一本の線でつながり、参加者の心に深い余韻を残す一夜となりました。

最後に提供された「ゴミのスープ」

Writer:BSSTO編集部

「暮らしにシネマチックなひと時を」
シネマな時間は、あなたがあなたに戻る時間。
「ブリリア ショートショートシアター オンライン」は、毎日を忙しく生きる社会人の皆さんに、映画のあるライフスタイルをお届けします。
毎週水曜日にショートフィルムをオンライン配信。常時10本ほどを無料で鑑賞できます。
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