すっかり秋が深まり、紅葉の美しい季節がやってきましたね。
今月ご紹介する作品は秋にぴったりな、ちょっぴり切なくもあたたかい気持ちになれる作品と強烈な余韻を残す衝撃作を選んでみました。
ぜひ大切な人に想いを馳せながら楽しんでいただけたらと思います。
『ハロー・アゲイン / Hello, Again』
(イギリス/約11分30秒)
【あらすじ】
母親の葬儀の翌日、一睡も出来ずに朝を迎えたオーエンは、父親を避け一人で母親の墓参りをすることにした。ちょっとした勘違いから、亡くなった父親の墓を訪れていたマウラという女性と知り合う。2人は失ってしまった愛する人とつながる方法を探そうとしていた。
誰もが必ず経験する大切な人の死。深い悲しみ、喪失感、孤独とどう向き合って生きていけばよいのか分からなくなってしまった青年が見つける光。
耐えがたい悲しみの中でも、予期せぬ人との出会いが人生の希望を見出せるきっかけになり、目には見えなくても最愛の人との絆を深める方法は必ずあると教えてくれる切なくも愛に溢れた傑作です。
死は永遠のお別れではないのだ、と心から感じられるストーリーにあたたかい涙が溢れます。
『祖父とのお別れ / Between Mournings』
(フランス/約17分)
【あらすじ】
美しい田舎の風景の中を60年代風の車が走りぬける。運転席の女性と弟、そして祖母が祖父の遺灰をまくために始めた旅は、なにやら滑稽な展開に。大切なのは悼むこと?それとも彼女たちと祖父との関係?
亡くなった祖父を大切に想う気持ちは同じなのに、心がバラバラになってしまった家族が少しずつ互いに歩み寄り、一緒に居られる”今”の大切さに気づいていくコメディ。
いつもそばに居てくれる人との時間は何よりも大切なものですが、当たり前に過ぎていく日々の中では忘れてしまいがちですよね。
失って初めて気づくのでは遅すぎる。改めて大切な人へ感謝の気持ちを伝えたくなる作品です。
『最後の望み / The Last Will』
(ドイツ/約21分)
【あらすじ】
生まれて初めて父に会いに来た一人の男。父はかつて自分の弟を殺し、精神病院に入っていた。
亡くなった母のために、生まれて初めて実の父親を訪ねる男に待ち受ける衝撃の真実とは…!?
観終わるともう一度最初から観たくなる衝撃作。
少しずつ明らかになる母と父の間にある暗い過去と真実を知った時、あなたは思わず息を呑むでしょう…。
これ以上は何も言えないので、ぜひ息を呑む真実を目撃してみてください!
今回ご紹介した作品は、それぞれ様々な形で”最愛の人の死”と向き合っていく姿が描かれています。少し重たいテーマかもしれませんが、短い時間でもとても心に響く作品ばかりでショートフィルムの素晴らしさを感じていただけると思います!
10月も素敵なショートフィルムに出会うお手伝いができたら嬉しいです。
Writer:DIZ(ディズ)
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