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MAGAZINE
COLUMN
Nov. 09, 2018

【Brillia SPECIAL FEATURE】レトロ建築探訪[東京編]
-Invitation to INTERIOR-

東京建物Brillia が発行している会報誌『Brillia』の中から、暮らしを楽しく豊かにする情報をピックアップしてご紹介。今回と次回の2回に分けて「レトロ建築」をテーマにお届けします。

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東京、大阪、福岡の3大都市に佇むクラシカルな近代建築。 さまざまな建物を手がける建築家の菅原大輔さんに、 プロならではの建物の見方やポイントを伝授してもらいました。 なにげなく見ていた建物にも、思わぬ魅力が隠れていること必至です。

東西文化の融合「迎賓館 赤坂離宮」

正門、前庭、白い建築物によって軸線と左右対称が強調されたデザインを前にすると、欧米列強と肩を並べようとした当時の人々の情熱が伝わってきます。一方で、建築装飾や壁画などのモチーフは日本化され、内部空間では木加工の技巧がいかんなく発揮されています。赤坂離宮は、西洋のデザインを東洋最高の職人が翻訳した、まさに東西文化の最高傑作です。

花鳥の間

木で徹底的につくり込まれた天井や大食器棚の装飾には、和洋折衷が昇華した日本風ネオ・バロック様式を見るよう。

迎賓館 赤坂離宮
1909(明治42)年に東京御所として建設され、当時の建設、美術、工芸の総力が結集したネオ・バロック様式の建築。大規模な改修を行い、1974(昭和49)年から外国の賓客を迎える施設として使用され、2009(平成21)年には国宝に指定されています。

東京都港区元赤坂2-1-1
◎03-5728-7788
◎開館時間/10:00〜17:00
◎休館日/水曜日(祝日の場合は開館、翌日休館)、年末年始
※公開日程についてはHPにて要確認
www.geihinkan.go.jp/akasaka/

日仏の芸術家・職人の総力をかけた「東京都庭園美術館」

都内とは思えない森の中に建つシンプルな外観の洋館。内部に一歩足を踏み入れると、荘厳なアール・デコの装飾たちに圧倒されます。ルネ・ラリックやイヴァン=レオン=アレクサンドル・ブランショといった当時世界最高のフランス人作家たちと、日本建築のプロ集団である宮内庁匠寮によるこの建物は、日仏文化が融合した美術品といえます。

大広間

大広間の高い天井の格子縁には、40個の半円球の照明が配置され、左右対称の木質壁面によって象徴的な空間を生み出しています。

東京都庭園美術館
当時最先端のデザイン様式であるアール・デコで統一され、1933(昭和8)年に朝香宮邸として完成。日仏の芸術家と職人の総力をかけた芸術品のような建物です。首相官邸や迎賓館などさまざまな用途に活用された後、1983(昭和58)年に美術館として開館。2015(平成27)年に国の重要文化財に指定。

東京都港区白金台5-21-9
◎03-5777-8600(ハローダイヤル)
◎開館時間/10:00〜18:00(入館17:30まで)
◎休館日/毎月第2・第4水曜日(祝日の場合は開館、翌日休館)、年末年始
www.teien-art-museum.ne.jp

1929(昭和4)年竣工・東京建物本社の魅力

▶当時の流行を示す 色褪せない佇まい
直線や円形、アーチなどのシンプルな形態が反復する外観。同年に竣工した泰明小学校や両国駅と並べてみると、まさに竣工当時流行のアール・デコ様式をよく示しています。流行を超えて、現在でも色褪せないその魅力は、当時のモノづくりに対する想いの強さを感じます。

▶オフィス街に表情を与える 繊細で豊かな工芸品
本社ビルの窓枠は、八重洲のビル群の中でも、その繊細な表情が目を引きます。建設当時は板ガラスの製造可能サイズが限られていたこともあり、ガラスの割り付けは細分化され、支える窓枠も細いものとなりました。柔らかな曲線のレバーハンドルも合わせてヒューマンスケールでデザインされ、都市の中の工芸品のようです。

窓枠

東京建物本社ビル 東京都中央区八重洲1-9-9
【DATA】東京駅八重洲口から徒歩1分

[大阪・福岡編]はこちら ※11/16UP予定

いかがでしたでしょうか?
何気なく訪れたことのあるレトロ建築も、デザインや装飾の見方が変われば、新たな魅力に気が付くかもしれません。

菅原大輔さん

建築士(一級建築士)・アートディレクター。SUGAWARADAISUKE建築事務所(株)代表取締役。大学の非常勤講師、山梨県景観アドバイザーも務める。国内外で評価され、受賞歴も多数。
http://sugawaradaisuke.com

Writer:住まいと暮らしのトータルブランド、Brillia(ブリリア)。

「洗練」-シンプルで上質、確かさを備えた都市の洗練。
「安心」-健やかで快適、安全の上に成り立つ、住んでからの安心。
私たちはこの2つのコンセプトを機軸にあらゆる英知と経験をBrilliaというブランドに結実させるべく住まいと暮らしについて、さまざまな視点から、さまざまな専門家とともに研究、議論、検証を繰り返してきました。
その核にあるのは、住まう方の暮らし、そして未来を輝かせたい、という思いです。
オフィシャルサイト: brillia.com

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