東京建物Brillia が発行している会報誌『Brillia』の中から、暮らしを楽しく豊かにする情報をピックアップしてお届けします。
今回お届けするテーマは「盆栽」。
年配の方の高尚な趣味として位置づけられてきた盆栽ですが、最近では若い世代にも芸術的な美しさと植物を育てる楽しさが受け入れられ、新たなブームになっています。アメリカやヨーロッパなど海外でも人気を博し、”BONSAI”として親しまれるほど。
今回は盆栽士・岸本千絵さんにご監修いただき、気軽に楽しめる「モダン盆栽」をご紹介します。
①実がなる盆栽
山地に自生するツリバナを信楽焼の器で表現。秋が深まるころには紅葉し、赤い実を結びます。左右のどちらかに流れをつくると、幹や葉の線が美しく見えます。また、空間を取ることも盆栽ならではの美的感覚。この場合は流れとともに右側に大きく間をつくり、空間美を表しています。
②花もの盆栽
幻想的な表情のネムノキ。花が咲く盆栽を育てる際は、花の色と器の色の相性を考えて選びます。ネムノキの淡紅色とブルーの器で、可愛く華やかに。
自宅にいながら紅葉が鑑賞できる清姫もみじ。安珍清姫伝説で有名な道成寺の近くで見つけられたことから名付けられました。ベランダでも管理しやすく、室内に置いてもちょうどいいサイズ感。小さい鉢は土が少なく乾燥しやすいので、水が切れないように気をつけて。
ポイント1:《水やり》
赤玉土の芯まで水が浸透するよう、土の色が変化するまで水を注ぎます。口がシャワー状になっているじょうろを使うと、盆栽の細部までまんべんなく水が行き渡りやすい。
ポイント2:《二重鉢》
盆栽は土の乾きが早いため、こまめに水やりができない方におすすめの方法。土を張ったプランター(穴開きのもの)または大きめの鉢に盆栽を1/3ほど埋め込み、全体にたっぷり水を注ぎます。大きい鉢の水分を小さい盆栽が吸い、乾燥を防ぎます。
ポイント3:《外で育てる》
基本的に盆栽は室外で育てます。日当たりがよく、風通しのいい場所に置くこと。室内に入れっぱなしは3日が限度。エアコンの風が直接当たらない場所に飾りましょう。
あると便利な盆栽用具
①盆栽ばさみ・・・・ 太い枝を抜き、根を切る
②剪定ばさみ・・・・・・・ 細かい枝を切る
③又枝切り・・・・・・・ ①・②で切りにくい枝を剪定する
④針金切り・・・・・・・・・・・・・ 針金を切る
⑤やっとこ・・・・・・・ 針金を外すときや鉢に木を固定する
⑥へら付きピンセット・・・雑草を取り、土を平らにする
⑦土入れ・・・土を鉢に入れる
和洋どちらのインテリアにも似合う苔玉。
好きな植物を選んで、さっそく作ってみましょう。
苔玉の材料
苔玉の材料
①好みの植物(土付きで、根が張ったもの)
②水ゴケ(水を十分含ませておく)
③竹炭
④ハイゴケ
道具:黒の木綿糸・割り箸・はさみ
苔玉の作り方
①好みの植物の土を丸く成形する。水ゴケに竹炭を混ぜ、土の周りに貼り付ける。
②ハイゴケの緑色が表に出るように❶をくるむ。おにぎりを握るように力をぎゅっと加える。
③❷に木綿糸を巻き付ける。ハイゴケが飛び出ているところを押さえるように巻き付け、丸くなるように整える。
④糸を全体にぐるぐると巻き付けたらはさみで糸を切り、割り箸を使って糸端を苔玉の中に入れ込んででき上がり。
苔玉の水やり方法
洗面器やバケツに水をたっぷり張り、苔玉の部分を全部浸す。苔玉からぷくぷくと空気が抜けると、水を吸っている状態。
岸本千絵さん
日本園芸協会「盆栽士」の資格を取得し、2012年より琳葉盆栽教室を主宰。各地で盆栽教室、ワークショップの講師を務めるほか、雑誌、テレビ、ラジオなどメディア出演も多数。
http://rinhabonsai.com