映像クリエイターとショートフィルムの繋がりを様々な角度から深掘りする「クリエイターズファイル」。
今回ご紹介するのは、国際短編映画祭ショートショート フィルムフェスティバル & アジア2022で、当時若干16歳の監督として、25歳以下のクリエイターを対象とする部門「U-25プロジェクト」にノミネートされた、池田周治監督。
今回BSSTOで特集する「未来予報はミステリアスに:占いテーマのショートフィルム」にあわせて、 池田監督による、占いに訪れるサラリーマンと占い師とのくすっと笑えて心があったまる、ワンシチュエーションコメディ『EYE KNOW』を配信することとなりました。
本作は映画祭と連動するクリエイターのためのプラットフォームLIFE LOG BOX*に登録。 作品制作の背景とともに、クリエイターとしてLIFE LOG BOXをどのように活用できるかをインタビューしました。
*LIFE LOG BOXとは
ショートショート フィムフェスティバル & アジア、そして株式会社ビジュアルボイスが2023年にローンチした、永続的に保存可能なデータストレージや、ポートフォリオの機能を備えたクリエイターのためのプラットフォーム。
新しい仕事やマーケットプレイスでの収益獲得を目指し、コンテンツやクリエイターの価値を最大化するサービス。
PCを盗難されて実感!クラウド保存の大切さ
ーLIFE LOG BOXのようなサービスの活用経験はありますか?使用してみての感想をお聞かせください。
今回初めて使うようなサービスでした。先日、PCを盗難されまして(笑)、自分のクラウドに作品は保存してあるのですが、LIFE LOG BOXがあればデータの保存だけでなく、作品の公開プラットフォームや映画祭への出品まで一元でできるのがとても便利だなと思いました。
悩んでいるときにふと立ち寄ったお菓子屋さんでの出会いに着想
ーこれまで、何度も映画祭のU-25プロジェクトでノミネートしてきた池田監督。コミカルでヒューマンな作風が特徴です。本作をどんなふうに制作したのでしょうか。
当時、映画や映像を制作する中で悩むことが多くて。ひとりで完成することができないコンテンツですから、いろいろ言われるわけです(笑)。
それ自体はありがたいんですけど、どうしてもへこんじゃって、そんな時初めて行ったお菓子屋の店員さんが声をかけてくれたんです。本作はそこに着想を得ました。
『Eye Know』の主人公・章太郎はふらっと立ち寄った占い店でイライラしますが(笑)、 通じるものはあるかと思います。
ー本作で伝えたいメッセージや思いは?
どこか懐かしいものとか、離れようとしても自分の中から離れないものって誰の中にもあると思っていて、それを原動力に私たちはまた頑張れるということですかね。
当時はこんな言語化できてなかったですが、いま思い返せばこういうことを考えてたんだろうなと思います。
スタッフは7割家族!にじみ出る温かさ
ー5分以内という短い尺で制作するのは大変でしたか? 尺の条件ありきでアイディアを考えたのでしょうか?
当時は5分以内の映画ばかり作っていたので大変という感覚はなかったです。でも、いまはもう少し長尺で映画を作っているので、いまからやろうと思ったら大変なんだろうなと思います。
ー制作のプロセスや現場で印象に残っていることはありますか?
撮影の前日まで、監督の私が風邪をひいてしまっていて、撮影できるかどうかすら微妙な状況でした。なんとか前日の夜復活して、美術や小道具は当日調達したりネットで注文したりしていました。思い返せばみんなヒヤヒヤしていましたが、スタッフが7割家族だからできたことですね(笑)。 エンドクレジットは池田ばっかりなので最後まで見逃さず楽しんでください。
ーキャストの2人が非常に印象的でした。どのようにキャスティングしたのですか?
ありがとうございます笑 主人公・章太郎は、劇団で活動をしている知り合いですが、占い師は私の祖母です。いまは大学進学で関東にいるのですが、実家に住んでいる時までは祖母にはずっと映画に出てもらっていました。
ふたりともいい味を出してくれていてほんとに嬉しいです。
ショートフィルムは「私たちの周りに転がっている大切なもの」を描く
ー監督が影響を受けた映画監督や映画作品はありますか?その中でも「運命」を描いた作品はありますか?
©2025「1ST KISS」製作委員会
この作品のずっとあとに公開されたものではありますが、『ファーストキス 1ST KISS』(塚原あゆ子監督)はとても影響を受けました。運命の喜びも悲しみも描いていて魅力のつまった映画です。
ーショートフィルムの魅力はどんな点だと思いますか?
長編映画で取り上げるまでではないけど私たちの周りに転がっている大切なものを取り上げられることだと思います。長編映画は2時間かけてじっくり描くので、比べれば感動は小さいかもしれませんが、そこでは描くに至らないものを短編映画では描けると信じています。
ー今後の制作予定や将来の夢をお教えください。
大学2年生ということもあり、将来何をするかは大いに悩んでいます。映画監督やりたいと大きな声で言いたいところですが、そういうわけにもいかず・・・
でも長編映画に挑戦してみたいと思っています。短編映画も現在ポスプロ中のものが2本あり、来年の春には公開できそうです。制作だけではなく作品を発信していくことにも注力したいので、LIFE LOG BOXなど活用しながら、作品をより多くの人に届けていきたいと思います。
Writer:BSSTO編集部
「暮らしにシネマチックなひと時を」
シネマな時間は、あなたがあなたに戻る時間。
「ブリリア ショートショートシアター オンライン」は、毎日を忙しく生きる社会人の皆さんに、映画のあるライフスタイルをお届けします。
毎週水曜日にショートフィルムをオンライン配信。常時10本ほどを無料で鑑賞できます。
https://sst-online.jp/theater/