国際短編映画祭ショートショートフィルムフェスティバル & アジア(SSFF & ASIA)と連携して、国内外のショートフィルムを紹介しているBrillia SHORTSHORTS THEATER ONLINE。本連載では、一人ずつショートフィルム作家をご紹介しています。
今月はBSSTOで2022年1月25日まで特別配信中の「MIRRORLIAR FILMS plus(ミラーライアーフィルムズプラス)」プロジェクト3作品の監督をご紹介します。
1人目は、婚約者と一緒に新居の契約のため不動産会社にやってきた主人公に訪れる“危機”を、風刺の効いた大人なコメディとして描いた『ハレの夜』監督の伊藤祐輝さんにお話を伺いました。
伊藤祐輝監督
「ハレの夜」
<監督>
伊藤祐輝
<出演>
伊藤祐輝、永池南津子、園山敬介、山形美智子
<スタッフ>
撮影:足達豊、照明:藤井聡史、録音:五十嵐猛吏
<ストーリー>
イルミネーションの輝くある夜、直也は恋人のまいを待っていた。
2人の新居として購入した、高級マンションの最終契約に向かうため待ち合わせしたのだ。
震える手を抑え、契約完了のハンコを押す寸前、
ふとスマホを開くと、1ヶ月前に会った元カノからメッセージが来ていた。
「あれから、生理が来ないんだけど・・・」
1. 「ミラーライアー」に加わった経緯について教えてください。
映画の撮影中に、ミラーライアーフィルムズプロデューサーの方から「伊藤くんは監督には興味ないの?」と聞かれて、何気なく、昔から考えていたあらすじを話しました。
すると、「それ面白いよ!」とおっしゃっていただき、そのまま勢いで脚本に起こしました。
せっかく書いたならショートフィルムにしてミラーライアーに応募してみようかなと思い、知り合いのスタッフ・キャストさんに声をかけて製作しました。
2. 長編にはないショートフィルムの魅力はどんな点にあるとお考えですか?
作り手のメッセージやテーマを端的に伝えられるところだと思います。
その分テーマ選びは難しいなと感じました。
「ハレの夜」より
3. 「ハレの夜」で一番こだわった点や、観客に観てもらいたい点はどんなところでしょうか?
僕は脚本・監督は未経験でしたが、俳優として長らく活動してきたので、とにかく、演技に関してはこだわりたいと企画の時点から思っていました。
人が追い詰められたときに、思わず出てくる可笑しさや人間くささが好きなので、そこを表現できればと思い、作品作りをしていました。
4. コロナ禍で制作活動にはどんな影響がありますか?また、コロナ禍で生じる制約に対してどのように取り組んでいらっしゃいますか?
「ハレの夜」の現場では、感染対策を徹底して撮影しましたが、コロナ禍になってから映画を観ると、どうしても人物の距離に目が行くようになりましたし、今回の脚本執筆の段階で、「コロナ禍ありきの世界にするかどうか?」というのは、かなり悩みました。
5. 今後作ってみたい作品や、取り組みたいテーマはありますか?
今回は初めて脚本・監督に挑戦させて頂きましたが、もしまたそのような機会がいただけたら、「言葉」をテーマに作品を作ってみたいです。
昔から「言葉」が生まれるきっかけや使われ方に興味があり、「流行語」や「死語」など、まるで生きているかのように取り扱われる言葉たちに焦点を当てて、作品作りをしてみたいと考えております。
伊藤 祐輝(いとう ゆうき)
1987年1月24日生まれ。北海道出身。
2009年、俳優として映画「ぼくはうみがみたくなりました」で主演に、翌2010年の「武士の家計簿」では主演夫婦の息子役に抜擢される。虚構の劇団「イントレランスの森」(12)、「飛龍伝21~殺戮の秋」(13)等の舞台にも出演。映画「シン・ゴジラ」(16)、「アウトレイジ 最終章」(17)、「さらば、ダイヤモンド」(18)、「Daughters」(20)、「ザ・ファブル 殺さない殺し屋」(21)、ドラマ「コード・ブルー -ドクターヘリ緊急救命- 3rd season」(17)などにも出演。監督としては今回が初脚本・監督作品となる。
MIRRORLIAR FILMS plus
伊藤主税(and pictures)、阿部進之介、山田孝之らが「だれでも映画を撮れる時代」をテーマに、メジャーとインディーズの垣根を超えて映画を作り上げる短編映画制作プロジェクト「MIRRORLIAR FILMS(ミラーライアーフィルムズ)」。俳優、映画監督、漫画家、ミュージシャン、一般公募からの選定クリエイター、総勢36名が監督した短編映画をオムニバス形式で4シーズンに分けて公開していくプロジェクトです。 この選定クリエイター枠12作品に選ばれなかった407作品の中から、個性が際立つ作品をラインナップしたのが「MIRRORLIAR FILMS plus(ミラーライアーフィルムズプラス)」です。年齢・性別・ジャンルも異なる多彩な10作品を、1年間を通して全国主要都市のミニシアターで上映していきます。
Writer:BSSTO編集部
「暮らしにシネマチックなひと時を」
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