映画によってもたらされる幸福感。
それは他に類を見ない特別な心の高揚だ。
そしてお菓子もまた、他に類を見ない特別な幸福をもたらしてくれる存在ではないだろうか。
『映画』と『お菓子』
そんな愛すべき2つを掛け合わせる事によって心に鳴り響く幸福の汽笛。
このコラムは、特定の映画に似合うお菓子を開発または発見し、それを味わいながら作品に触れる事で、登場人物や作品を、より理解したり、より幸福感を感じられるような『幸せの方程式』を見つけていこうというコラムだ。
今月のコラム「映画とお菓子の方程式」のテーマは、ブリリア ショートショートシアター オンラインにて11月5日より配信されている「ジェンダーレス・ショート特集」に合わせて、「世界の・周りの・ジェンダー」を見つめる機会に相応しい映画、「チョコレートドーナツ」。こちらの作品をお菓子とマリアージュ。
「もう11月か、1年早いな。」毎年このセリフを言わされる11月。冬に向かう街の冷気と木々の赤みを楽しみながらお読みいただけたら幸いです。
(C)2012 FAMLEEFILM, LLC
・あらすじ
同性愛に対して差別と偏見が強く根付いていた1970年代のアメリカでの実話をもとに、育児放棄された子どもと家族のように暮らすゲイカップルの愛情を描き、トライベッカやシアトル、サンダンスほか、全米各地の映画祭で観客賞を多数受賞したドラマ。カリフォルニアで歌手になることを夢見ながら、ショウダンサーとして日銭を稼いでいるルディと、正義を信じ、世の中を変えようと弁護士になったポール、そして母の愛情を受けずに育ったダウン症の少年マルコは、家族のように寄り添って暮らしていた。しかし、ルディとポールはゲイであるということで好奇の目にさらされ、マルコを奪われてしまう。
(C)2012 FAMLEEFILM, LLC
「ドーナツ」にたとえるなら、この映画は真ん中の“穴”――つまり「欠けているもの」の大切さを教えてくれる物語です。
1970年代のアメリカ。
ネオンきらめく夜のクラブで、派手なメイクにハイヒール。ドラァグクイーンのルディは、一見強そうで、実はとんでもなく優しい男。
そんな彼が出会ったのは、スーツの襟がよく似合う検察官ポール。そして育児放棄され、ひとり取り残された少年マルコ。
3人が一緒に暮らすことになったとき、そこには血縁なんて関係ない“本物の家族(愛)”が生まれる。だが、世間はその愛の形を認めようとしない。ルディとポールが同性愛者でという理由で。
ルディの切ない歌声が、夜の静けさをやさしく震わせるたびに、観ているこちらも自分の中の“正しさ”を問い直したくなる。
観終わったあと、あなたはきっと思うだろう。
「愛に正解はない。でも、美しい不正解なら、いくらでもある」と。
70年代の不正解も現代では正解となりつつある。トランスジェンダーに限らず人々が差別や暴力で命を落とすことの無い時代へ世界が歩んで行くことを願っている。
それでは今月はこの素敵な映画をお菓子にしてみましょう。
今回も”映画の余韻に包まれながら食べたい”というコンセプトだ。
この作品の余韻に含まれるのは、「愛」や「優しい気持ち」しかしもっとも含有量が高いのは、やはり「切なさ」ではないだろうか。
そこで今回は、作中にも登場したマルコの大好きなコテコテのチョコレートドーナツを切なさケアスイーツにアレンジしていくよ。
・カカオポリフェノール
・テオブロミン
・マグネシウム
・GABA
これらは心を落ち着かせ、ストレス耐性をアップさせる効果が期待できる栄養たちだ。そしてこれら全てを含むのがカカオだ。
今回は刻んだ高カカオチョコレートをドーナツの中に忍ばせるよ。
はい!
ジャンジャガジャーン🎵
マルコの大好きなチョコレートドーナツをカカオ増し増しカスタム!
映画「チョコレートドーナツ」の余韻に浸りながら食べる切なさケアスイーツ”マルコ”の完成だ。
ん~、甘くて美味しい!
マルコたちにも食べさせてあげたくなるね。

そして、今月のBSSTO では、トランスジェンダーの人々が暴力や差別によって命を落としたことを追悼する「国際トランスジェンダー追悼の日」(11月20日)および、その前週(11月13日~19日)に行われるトランスジェンダーの人々が直面する課題への理解と認知を深めるキャンペーンに賛同し、「世界の・周りの・私のジェンダー」を見つめる をテーマにしたショートフィルム特集が11月5日(月)より配信されています。
その中からおすすめ作品をピックアップ。
僕の言いたいこと / In the Words of Firman
〜偽りの勇気、本当の勇気〜
製作国:インドネシア
ジャンル:ドラマ
上映時間:約18分
配信期間:2025/11/12~2026/2/12
【あらすじ】
ゲイであることを隠しているインドネシア人俳優フィルマンは、映画のインタビュー中、“ストレート”のイメージを崩すまいと必死だ。しかし、トランスジェンダーの友人ケニーが、共演者ジョニによるハラスメントを訴えた件について聞かれると、彼の心は葛藤する。キャリアのために沈黙を貫くべきか、それとも、自分の秘密がバレてしまうリスクを冒してでもクィアの仲間を守るべきか。彼は決断を迫られる。
僕はどんな環境下でも周りにどう思われようと正しい事をして正しい事を言う事を諦めたくないと思って生きています。その結果嫌われる事になるかもしれないし去っていく人もいるかもしれない。言葉とは、“自分を選ぶ”行為なのではないだろうか。この行為はゲイであろうとなかろうと全ての人のドラマにとても大切なこと。フィルマンの言いたかったことはこれからのフィルマンをとてもカッコよく素敵な人にする行為だったに違いない。
言いたいことも言えないこんな世の中じゃポイ(以下略)
この他にも今月も素敵な作品がたくさんです。ぜひご覧ください。
いかがでしたでしょうか。
今月も「映画とお菓子の方程式」をお読みくださりありがとうございます。
少し前にiPhone11から17に変えたのですがカメラ革命に驚くばかりです。もうライブ配信できません。シワのケアを頑張らなければ!笑。それでは皆さんも体調に気をつけて元気で、また来月お会いしましょう!
Writer:ダイスケおじさん(インスタグラマー)
はじめまして。インスタグラムでユーモアたっぷりに映画の紹介をしています。長い独身生活で育ってしまった料理の腕前を活かし、皆さんの映画ライフを少しでも幸せなものに出来たらと思いこのコラムを執筆する事にしました。
ホッコリと味わっていただけたら幸いです。
Instagram:@daisuke.ojs