国際短編映画祭ショートショートフィルムフェスティバル & アジアと連携して、国内外のショートフィルムを紹介しているBrillia SHORTSHORTS THEATER ONLINE。
このほど、ショートフィルムの作り手たちを紹介する新連載をスタートします。連載名はシンプルに「クリエイターズファイル」としました。長編映画やテレビドラマ、CMやMVで活動している方も多いですが、そんな作り手たちも、あえてショートフィルムを撮り続けています。作り手としてショートフィルムのどんな点に魅力を感じているのでしょうか?国内外のショートフィルム作家にオンライン取材を行います。
初回の今回は2020/12/26~2021/1/7まで監督作品『エヴリタイム・ウィー・セイ・グッドバイ』がBSSTOで配信中の倉田健次監督に聞きました。
倉田健次監督
①ショートフィルムをはじめて作ったのは何歳の時でしょうか?処女作の作品名と内容を教えてください。
-初めてショートフィルムを作ったのは19歳の頃、8ミリ作品だったと思います。『火星』というタイトルで、歪な母子の心象を描く30分作品でした。当時はドラマを排する事ばかり考えていたのでセリフとしては3つしかなく、かなり実験映像的な手法を追っていたと記憶しています。
②代表作を1本あげるとしたら?それはなぜ?
-しいて言えば『Novela Picaresca』です。長編作も連続ドラマも手掛けましたが、常々追っている「映像の美麗さ」「脚本の面白さ」「演技の卓越さ」のパッケージングが自分なりにようやく少し整えられた印象があるからでしょうか。また短編という短い尺の中でどこまで観客の満足度/充足度を高められるかを密かに実験した作品でもありますので。
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代表作:『Novela Picaresca』
■Running time 25 minutes
■Release dates 2018
■Country Japan ■Language Japanese
「悪い子になりたい」
そんな幼少の想いを抱えて古本屋に閉じ込められてきた店主ヨーコは、
心惹かれた小説家の一言から無知で無垢な犯罪を計画する。
それは悲喜交々の人生への「悪戯」のような日々となっていく。
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③長編にはないショートフィルムの魅力はどんな点にあるとお考えですか?
-長編はその大きな尺内の中で「間」「空気感」で語る事もできますが、それはショートフィルムでは行いにくいもの。短編であればあるほど脚本やギミックの巧妙さ、映像設計などが完成度や満足度に直結します。ですので作品の良し悪しが長編作品よりもストレートに観客に届くとも思え、それがショートフィルムを創る上での醍醐味と感じています。
④今後作ってみたい作品や、取り組みたいテーマはありますか?
-ショートフィルムの枠を超えるような映像のダイナミズム、長編作品以上の脚本クオリティ、そして世界中の皆に心底楽しんでもらえるよな「おかしみ」と「救い」のある作品を創ってみたいと思います。
【2021/1/7まで 配信中】『エヴリタイム・ウィー・セイ・グッドバイ』
倉田健次 / qurata kenji
岐阜県高山市出身。映画監督/脚本家/小説家。次世代を担う映像作家として全世界から受賞者が選出される「サンダンス・NHK国際映像作家賞」にてグランプリ受賞。
『EVERYTIME WE SAY GOODBYE』『Novela Picaresca』『ROBIN』が国内外の国際映画祭にてグランプリ等受賞。その他、長編映画『藍色少年少女』、連続ドラマ『ふたりモノローグ』監督/脚本、『アイカツプラネット!』シリーズディレクター、『君がいなくちゃだめなんだ』原作/脚本/小説など。
Writer:BSSTO編集部
「水曜夜は、わたし時間」
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