映像クリエイターとショートフィルムの繋がりを様々な角度から深掘りする「クリエイターズファイル」。
今回ご紹介するのは、BSSTO「ジェンダーレス・ショート特集」で『クレイリーレイクの終わらない夏』が配信中の、アメリカのSpencer Thielmann監督とEmily Berge監督です。
映画祭と連動する、クリエイターのためのプラットフォームLIFE LOG BOX*に作品登録をいただいたことから配信が決定。 作品制作の背景や撮影時のエピソードとともに、クリエイターとしてLIFE LOG BOXをどのように活用できるかをインタビューしました。
*LIFE LOG BOXとは
ショートショート フィムフェスティバル & アジア、そして株式会社ビジュアルボイスが2023年にローンチした、永続的に保存可能なデータストレージや、ポートフォリオの機能を備えたクリエイターのためのプラットフォーム。
新しい仕事やマーケットプレイスでの収益獲得を目指し、コンテンツやクリエイターの価値を最大化するサービス。
LIFE LOG BOX のようなサービスを使ったことはありますか? 実際に使ってみた印象や、あったらいいと思う機能はありますか?
これまで使ったことはありませんでしたが、今回の登録を経て、ポートフォリオ機能の利便性や、どんなビジネスチャンスが生まれるか、とても楽しみにしています!
この作品を制作するきっかけや背景を教えてください。
ちょうどこの短編を撮影したエリアに引っ越してきたばかりで、その土地の風景や雰囲気を映像で表現したいと思ったのが始まりでした。私たちは湖のすぐそばに住んでいたのですが、その場所は裕福な観光客と地元の労働者が入り混じる、とても興味深い社会的コントラストを持っていました。

この作品を通して伝えたかったメッセージや感情は何ですか?
私たち(脚本・監督)はどちらも、少し奇妙な夏のアルバイトを経験したことがあり、その「日常の中で、少しずつ制御不能になっていく感覚」を物語の中で描きたいと思いました。
BSSTOでは今回、「ジェンダーレスな表現」をテーマにしたショートフィルム特集を展開しています。とはいえ本作は、ジェンダーを正面から扱った作品というより、登場人物たちが“たまたま”レズビアンであるという日常的な多様性が自然に描かれている印象でした。
監督は現代社会のジェンダーレス化に変化を感じますか?
私たち(脚本・監督)はアメリカ出身ですが、この作品に描かれる人間関係は、現代のクィアやバイセクシュアルとして生きるリアリティをよく表していると思います。
ときに、それが「フレンドリーな交流」なのか「恋愛的な関心」なのか判断するのがとても難しいことがあります。

撮影中に印象に残った出来事はありますか?
はい。一番のハプニングは“雨”でした!
脚本ではもともと「真夏の暑い晴天の日」を想定していたのですが、撮影期間中はずっと大雨だったのです。
そこで急きょ脚本を変更し、「季節の終わりの奇妙な雨の日」として、天候そのものを作品に取り込みました。
結果的に、この“冷たく湿った空気の中で夏服を着ている人々”というビジュアルが作品の印象的な特徴となりました。

影響を受けた映画監督や作品はありますか? また、その中でジェンダーを扱った作品はありますか?
影響を受けたのは、クラシックなアメリカの作品で、たとえば『ビッグ・リボウスキ』(コーエン兄弟)、リチャード・リンクレイター監督の作品、『スマイリー・フェイス』(グレッグ・アラキ監督)、『The To Do List』(オーブリー・プラザ主演)などです。
そこに、私たちなりのジェンダーやクィアの要素を加えました。
ショートフィルムの魅力はどこにあると思いますか?
制作期間の短さです。長編映画は完成までに何年もかかることがありますが、ショートフィルムなら数週間で形にでき、次のプロジェクトにもすぐ取りかかれます。
クリエイターとしてとても達成感があります。
今後の制作予定や展望を教えてください。
私たちは2027年春に、サイモン&シュスター社から児童向けのデビュー小説『ミシシッピ最後の人魚(The Last Mermaid of the Mississippi)』を出版予定です!
Writer:BSSTO編集部
「暮らしにシネマチックなひと時を」
シネマな時間は、あなたがあなたに戻る時間。
「ブリリア ショートショートシアター オンライン」は、毎日を忙しく生きる社会人の皆さんに、映画のあるライフスタイルをお届けします。
毎週水曜日にショートフィルムをオンライン配信。常時10本ほどを無料で鑑賞できます。
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